2010/12/28

なぜ日本はクジラを捕り続けるのか?(森達也)

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 「kotoba」創刊号より


 ややこの記事の本筋からそれるが、2ページ目の枠線で囲ってある所を読んでいてかなりどきっとさせられた。絶滅しそうな動物を守るために他の動物を殺すことに対してまったく無批判である状況はあまりよろしくないのではないか。

2010/12/20

マリシャスクレーム〈2〉(範乃 秋晴)


【タイトル】マリシャスクレーム〈2〉
【著者名】範乃 秋晴
【発行年月日(初版)】2010年10月15日初版
【登場人物の年齢層】成年
【概略】センターを攻撃目標とする謎の集団。電話回線はパンク状態となるが、その裏にはセンターに精通している裏切り者がいると常光は睨む。さらに、その集団の中には凶悪なIPBCが紛れていた。出雲源一郎と名乗る男の声、話す内容は常人には耐えがたい生理的嫌悪をまき散らす。唯一、対等に戦えるはずの常光だったが、出雲にはなぜかいつものクレーム予測が通じない。出雲たちの執拗な攻撃、裏切り者の存在、その裏に隠された意外な真実が明らかになったとき!?待望の第2弾。(「BOOK」データベースより)
【感想】どこかのブログで続編が出たのを知って。第一巻


 まあいつも通り底の深くない内容である。つまらないわけではないが、もっと捻りを加えても良かったのでは、という印象。展開が安直。せっかく面白い題材なのに。


 最後も続きを匂わせるような終わりかたと、あとがきでのネタ的懇願。他ではあんまり見ないけどなんだかな。といいつつ続編が出たらまた買うなりなんなりして読んでしまうんだろう。


 ……あまり関係無いのだがこの本についてきたメディアワークス文庫のしおりに「本当に面白い本は、深く考えなくても面白いはず。」と書かれてあってなんとも言えない気持ちになった。確かに一理有るかもしれないが、ライトノベル的なタイトルを持つ新刊が並ぶメディアワークス文庫の底が知れてなんとなく幻滅した。まあ文庫の「色」が定まって良いのかもしれないが。
【ランク】5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年12月15日に読み終えた

2010/12/13

デッサンビギナーズ・ノート(伊藤 将和・深澤 健作)


【タイトル】デッサンビギナーズ・ノート
【著者名】伊藤 将和・深澤 健作
【発行年月日(初版)】2010年09月25日初版
【登場人物の年齢層】-
【概略】-
【感想】図書館の新刊コーナーで見つけたのがきっかけ。


 鉛筆のデッサンの方法と実際にデッサンを行う過程が掲載されている。デッサンは興味があるものの、なかなかする機会がなかったが、何か一つやってみたいなと思う。

 こういうのはやはり独学ではなく誰かの指導を請うほうが成長するのだろうなと思いつつ、ちょっと独学でぼちぼちやっていきたい。

・シルエットで形のエッセンスをつかむ
・明暗に注目する
・モチーフをよく観る、錯覚に注意する
上記の事を念頭におきたい。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年12月05日に読み終えた。

ロト6で3億2千万円当てた男の悲劇(久慈六郎)

【タイトル】ロト6で3億2千万円当てた男の悲劇
【著者名】久慈六郎
【発行年月日(初版)】2006年07月31日初版
【登場人物の年齢層】-
【概略】もしも、ロト6で大金が当たったら…?こんな夢を実現させてしまった男(38歳、独身、年収320万円)の人気ブログの単行本化。換金の手続き、銀行主催のカウンセリング、不眠症、人間不信、1万円札でツルを折る日々、それでもモテない現実、そして襲いかかる株式投資の大失敗(ウン億円)…。一攫千金を夢見るすべての人、必読!世界で初めて「ロト6成金の体験」をリアルに描いた、悲劇と人間性回復のドキュメント。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館で見つけたのがきっかけ。


 結構なタイトル詐欺で、悲劇というほどひどい状態にまでは陥ってなくてがっかりした。いかにも1サラリーマンが大金を得たらしそうなことをしているだけで、何の面白味もない。ただ単にブログを単行本化したものである。ブログもくだらない。


 読み終えたあと、もし自分が一等に当選したらというくだらない妄想をしたのだが、すればするほど自分がいかに庶民かが分かる。親に家のローンなどある程度渡して、そのあと浮かぶのは都心に引っ越したり海外旅行に行ったりカジノに行く、小説やマンガ、ライトノベルを大量に購入する……などで、いかにも庶民の贅沢の範疇を越えない。こんなレベルのしょうもない事しかしないのであれば、ある程度の生活費は確保してあとはどこかの団体に寄付した方がよほどマシであろう。しかし、何か虚しいものである。セレブは生まれた時点でセレブとしての生き方を知っているのかもしれない。


 調べてみたらドラマ化されていたが、どうやら打ち切りになっているようだ。全く当然である。
【ランク】4
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年12月06日に読み終えた。

2010/12/05

ラットマン(道尾秀介)


【タイトル】ラットマン
【著者名】道尾秀介
【発行年月日(初版)】2010年07月20日(文庫版)、2008年08月(ハードカバー)
【登場人物の年齢層】20~30
【概略】結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とは―。(「BOOK」データベースより)
【感想】友人より。


 自分が今まで読んだ道尾秀介の小説には「向日葵の咲かない夏」と「鬼の跫音」の2つがあるが、「ラットマン」は書かれた時期が2小説の間に書かれたものである。


 やはり道尾の小説は安定して面白い。読者の心を掴み、早く続きが読みたいと思わせる。朝早い電車に乗って読んでいても続きが気になって全く眠たくならないほどである。今回もなかなかのミステリーだったと思う。登場人物、さらには読者も含めてのの「勘違い」、「思い込み」によるトリックの連続はさすがに巧いと思うしかない。


 ただ、これは「向日葵の咲かない夏」に比べるとライトな感じである。なんというか衝撃が足りないと言えばいいのだろうか。最後のほうで母親に関する「勘違い」が明かされたときも、「あ、そうなんですか」といったものしか持てなかった。もう少し捻りを加えても良かったのではと思う。しかし、それを差し引いても安定したクオリティである。続けて道尾の他の小説も読んでみたい。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】読者を掴んで離さない
比較的ライト
勘違い
【備考】2010年12月03日に読み終えた。

2010/11/20

春狂い(宮木あや子)

【タイトル】春狂い
【著者名】宮木あや子
【発行年月日(初版)】2010年5月10日
【登場人物の年齢層】中学から高校生
【概略】生まれながらにして、人を狂わすほどの美しさを内包していた一人の少女。男たちの欲望に曝され、身体を穢された美少女が、桜咲く園で望んだ未来とは―。窓の外で桜の花びらが突風に巻き上げられている。放課後の教室、私は教師の前でスカートをたくしあげる。「私をあと二年、守ってください」。制服の下に隠された、傷だらけの少女の秘密。(「BOOK」データベースより)
【感想】おそらく新聞の広告を見たのがきっかけである。


 一通り読み終えて、これは一度読んだだけじゃだめだな、と思わせるほど心情の表現が豊かであった。


 著者紹介のところに書かれてあるとおり、鮮烈な官能表現が特徴的である。その官能表現を通じて、憎しみや哀しみ、愛情を描いていると思う。


 短編集の形をとっているが、各話は繋がっている。特に、少女が主人公として登場する回は凄惨たる展開である。少女が虐げられ、また虐げる描写から……なんと表現したらよいのか。
【ランク】7
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年10月16日に読み終えた。再読を促す。

2010/11/19

ケータイ小説は文学か(石原千秋)


【タイトル】ケータイ小説は文学か
【著者名】石原千秋
【発行年月日(初版)】2008年06月10日初版
【登場人物の年齢層】-
【概略】ケータイ小説を大胆にも文学として認め、その構造を徹底分析。小説の「読み」「書き」に起こる異変を解きあかしポスト=ポスト・モダンという新しい境地を見出す刺激的アプローチ。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館の新書コーナーを見ていて偶然見つけたのがきっかけ。


 興味がないので未だケータイ小説というものを読んだことはない。よく2ちゃんねるで「美嘉」の概略が書き込まれているのを読んでいたので概略は知っていたが。


 石原千秋は本書において有名なケータイ小説の概略を示し、それを二項対立などを用いて構文解析したり、ケータイ小説に共通する「アイテム」を示すことで、「ケータイ小説」というものを読み解いた。


 最近では、ブームが沈静化し、話題に昇ることが減ったなと思うのもこの本を読めば説明がつくと思う。要するに、「ケータイ小説」は展開が似かよってしまう傾向にあるから、飽きてしまったのではないのかと推測がつく。バリエーションが少ないのである。


 この本はほぼ最後まではあまり難しくないのだが、最後でポスト=ポストモダンという単語が登場するところは結構難解というか、あまり説明しようというスタンスが見えない。ちくまプリマー新書は易しいという印象が崩れてしまった。


 書いていて思ったが新書などの評論文は感想と同時に要約も必要だなと感じた。今更読み返して要約する気はさらさらないが、これからは要約も意識してみようかと思った。
【ランク】-
【読書中メモの総覧】-
【備考】2010年11月17日読了

2010/11/16

「それでも私は犯人を恨まない」…(by エル・ムンド)


クーリエ2010年11月号より

監禁した犯人は電車に飛び込んで自殺してしまっているので犯人の今の心境は聞けないが、監禁でも8年も経過するとこのような心境になるのだろうか、記事中にも指摘されているがこの記事を読んで真っ先にストックホルム症候群という単語が浮かんだ。

しかしやはり監禁の目を抜け出して駄出すると言うことは、自分の現状に満足していない証拠だよな、と思った。(きわめて当たり前だが……)

少女ノイズ(三浦岳斗)


【タイトル】少女ノイズ
【著者名】三雲岳斗
【発行年月日(初版)】2010年4月20日
【登場人物の年齢層】高校生~大学生
【概略】欠落した記憶を抱え、殺人現場の写真に執着を持つ青年と、心を閉ざして、理想的な優等生を演じつづける孤独な少女。進学塾の屋上で出会った二人が見つめる恐ろしくも哀しい事件の真実とは何か?そして、少女のつけた巨大なヘッドフォンのコードは、どこにつながるのか?冷徹なまでに美しい本格の論理で解かれる最大の謎は、エンドロールのあとの二人の未来―。
【感想】ジャケ買い。


 短編5つからなるミステリー系小説だが、解説にも述べられているとおり正直ミステリー部分はおまけみたいなもので、むしろ主人公である大学生と瞑と呼ばれる高校生のやりとりの方がメインみたいなものだ。


 まあジャケ買いなのであまり期待はしていなかったが、こんなものだろう。ミステリー小説の中では結構読みやすい分類に入るが、やや物足りなさも目立った気がする。正直ミステリーの部分を廃して二人のやりとりに集中すればもっといいなと思ったが、それでは文章中に絵がないライトノベルと大差ないような気もする。(あまりライトノベルを読まないので印象からでしかないが・・・)
【ランク】4.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年11月16日に読み終えた

2010/11/14

俺俺(星野智幸)

【タイトル】俺俺
【著者名】星野智幸
【発行年月日(初版)】2010年6月30日
【登場人物の年齢層】大学生~30代
【概略】マクドナルで隣り合わせた男の携帯電話を手に入れてしまった俺は、なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった。そして俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺でない俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎてもう何が何だかわからない。電源オフだ、オフ。壊ちまうす。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて―。孤独と絶望に満ちたこの時代に、人間が信頼し合うとはどういうことか、読む者に問いかける問題作。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の書評欄より。


 通読して率直に思ったのは「カオスな作品だな」という印象である。登場人物が次々に「俺」化していく様子は最初は面白いなと思ったものの、だんだん増殖していくに従って恐怖が芽生えてきた。


 もちろん設定などにいろいろ突っ込むことができるかもしれないが、それを凌駕するほどの物語の展開だったと思う。途中この主人公がどういうような環境で、どういう家族構成を持っていたかが混同しだんだん自分というものがわからなくなっていく様子には混乱し変な気持ちになっていった。たまにはこういう不思議な小説を読むのも悪くはないと思う。


 朝日新聞の書評では、『派遣労働などが一般化し、個の固有性が希薄化する現代日本社会。入れ替え可能な個の群れが出現し、アイデンティティーを保つことが難しくなっている。俺が俺である必要性は果たしてあるのか? 俺は本当に他者から承認されて生きているのか?そんな不安ゆえに、人は他者とつながりたい。心と心で結びつき、互いに必要とし合う関係を築きたい。しかし、それが行き過ぎると、自己と他者との区別がつかなくなる。自己のアイデンティティーは他者の群れの中に溶解し、全体へと回帰する。本作は、現代社会の状況と普遍的な人間のアイデンティティーの問題に迫った現代文学の金字塔だ。今まさに存在の不安に押しつぶされそうな人は、ぜひ読んでほしい。全体主義やファシズムの「危うい魅力」に関心がある人にとっては、必読の作品。』と紹介されている。なるほど、この小説はこのようにも読むことができるのかと頷いた。


 著者のブログやtwitterを読んでみると世間や、社会状況に対して深く考察しているのが見受けられた。いろいろ踏まえてこの小説のことを回想すると、この小説は結構深いことを考察し、風刺しているんだな。


 書評を執筆しているのが中島岳志氏で、「クーリエ・ジャポン」においてインドに関する記事をよく見かけるのを思い出した。意外なところで繋がっているものだ。
【ランク】6+α
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年11月13日に読み終えた。

2010/11/08

弟の戦争(ロバート・ウェストール、原田勝訳)


【タイトル】弟の戦争
【著者名】ロバート・ウェストール
【訳者名】原田勝訳
【発行年月日(初版)】1995年11月30日初版
【登場人物の年齢層】中学生~高校生
【概略】ぼくの弟フィギスは、心の優しい子だった。弱っている動物や飢えた難民の子どもの写真なんか見ると、まるでとりつかれたみたいになって、「たすけてやってよ」って言う。人の気持ちを読みとる不思議な力も持っている。そんな弟が、ある時奇妙な言葉をしゃべりだし、「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い始めた。フィギスは12歳。1990年、湾岸戦争が始まった夏のことだった…。弟思いの15歳の兄が、弟を襲った不思議な事件を語る、迫力ある物語。イギリスで子どもの読者が選ぶ賞を複数受賞、ヨーロッパ各国でも話題を呼んだ作品。シェフィールド児童文学賞受賞、ランカシャー州児童書賞第1位、イギリス児童書連盟賞部門賞受賞、カーネギー賞特別推薦、ウィットブレッド賞推薦。小学校中・高学年~。(「BOOK」データベースより)
【感想】小学生の頃読み、久しぶりにもう一度読んでみたくなったのがきっかけ。


 湾岸戦争をメインテーマとしており、主人公の弟がイラクの少年兵と人格を共有、むしろ少年兵の人格が弟に影響を及ぼしていく物語。


 区分上は児童文学に含まれるだろうが、身近な人間が戦争の影響を受けることによる戦争の悲惨さ、さらに(これは予想外だったが)アラブ人の精神科医を登場させることによる人種差別の問題にも踏み込んでいる、児童文学のジャンルに収まらない難しい内容を扱っていた。


 多分これを最初に読んだ頃はおそらく(というかほぼ確実に)ここまで深く意識しなかっただろう。まあ年齢を重ねれば思考が深くなるのは当然であるが……


 正直、この本を小学生が読んで、理解できるのかと思ってしまうのは舐めすぎているだろうか。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年11月08日読了

2010/11/06

Cross Days ~重ねる嘘、重なる想い~(秋月 ひろ)


【タイトル】Cross Days ~重ねる嘘、重なる想い~
【著者名】秋月 ひろ
【原作】オーバーフロー
【発行年月日(初版)】2010年10月27日発行
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】伊藤誠からの突然の告白で、誠を意識し始めた桂言葉―。ふとしたキッカケで足利勇気に恋をしてしまった喜連川路夏―。2人の想いは募るばかりで、いつも遠回り…。そんな2つの不器用な恋愛が、いつしか交錯して、誤解、嫉妬を生んでいく―。大ヒットPCゲームが小説版となって登場。(「BOOK」データベースより)
【感想】友人より。


 「School Days」の世界観や登場人物をそのままにして焦点を変えたエロゲーのノベライズ版である。


 まあ他のエロゲーのノベライズと大差ないが、登場人物が多く話もそこそこ複雑で楽しめた。


 ただ、エロゲーのノベライズだからしょうがないかもしれないが各々の描写に捻りがない。特にセックスシーンは妙に生々しく、邪魔である。最後喜連川と勇気の描写には少々げんなりさせられた。普通に終わればより良かったと思う。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】-
【備考】2010年11月06日読了

2010/10/31

ヤンデレ大全


【タイトル】ヤンデレ大全
【著者名】ー
【発行年月日(初版)】2007/8/29
【登場人物の年齢層】ー
【概略】「ツンデレ大全」に続く、好評の美少女ゲーム・キャラクタームックの第6弾「ヤンデレ大全」が登場! 最近話題の「ヤンデレ」キャラクターを徹底的に紹介する本です。もうお馴染みの熱過ぎる執筆陣が、美少女ゲーム、コミック、ライトノベルなどのヤンデレキャラを語り尽くします。
「ヤンデレ」を多角的に解釈したオリジナルイラストも満載! しかもこの本、最終的にコンテンツ量が増えすぎたため、急遽増ページとなった128ページのお得な完全保存版です。もちろん体験版&デモムービー満載のDVD-ROMが付属! 衝撃的な表紙イラストは、ぜひ実物でご堪能ください!
【感想】友人より。


 タイトル通り「ヤンデレ」大全である。「ヤンデレ」というキーワードの意味は、「ヤンデレの大意は『病み+デレ』の合成語が『病んでる』とのかけ言葉になっていると考えればわかりやすい。……辞書的に定義するなら、『ある対象に対して社会通念上から病的と見なされるほど深い情念や執着を抱え込み、それを原動力にして過激な求愛・排他・自虐・他傷など極端で異常な言動に駆られるキャラクター、もしくはその状態』ということである。」と書かれてある。今まで耳にしたことはあったものの、詳しく理解はしていなかったので、よくわかった。――しかしよくもまあここまでまとめることができたな、という印象である。俗にサブカルチャーに分類されるジャンルだと思うが、ここまで詳しいと結構読みごたえがあるし、面白い。


 ネット上で産まれたツンデレの派生である概念の一角がここまで(サブカルチャー界のなかで)一般的になるとは考えた人も創造し得なかったのではないのだろうか。――そうかんがえると言語というのは面白いものだと思う。性質を名付けることで認識しジャンルを形成するまでに至るというわけである。そして、過去に創られた作品(森鴎外の小説など)や、海外の作品に「実はこれはヤンデレだった」としてそれぞれカテゴライズされる。これこそ現代文の授業で取り上げられた表現を通して物事を認識する……と思ってノートを見返したが思っていたのと少々違った。よくわからんな。


 ただ、「GUNSRINGER GIRL」に登場するヘンリエッタがヤンデレとして紹介されていたのには違和感を覚える。このテキストを書いた人が「GUNSRINGER GIRL」の何巻まで読んで書いたかわからないが上記にあげた定義には含まれないと感じた。まあ広義には含まれるのかな。


 本中に紹介されていた「永遠のフローズンチョコレート」と「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」に興味が沸きリブロ本店に行ったが、片方が在庫なしで片方が10巻ぐらいあるシリーズもので萎えた。残念。
【ランク】ー
【読書中メモの総覧】ー
【備考】2007年10月05日に読み終えた。

2010/10/24

悲しみよ こんにちは(フランソワーズ・サガン、朝吹登水子訳)


【タイトル】悲しみよ こんにちは
【著者名】フランソワーズ・サガン
【訳者名】朝吹登水子
【発行年月日(初版)】
1928年6月25日、1955年6月改版
【登場人物の年齢層】17、その他
【概略】若く美貌の父親の再婚を父の愛人と自分の恋人を使って妨害し、聡明で魅力的な相手の女性を死に追いやるセシル……。太陽がきらめく、美しい南仏の海岸を舞台に、青春期特有の残酷さをもつ少女の感傷にみちた好奇心、愛情の独占欲、完璧なものへの反撥などの微妙な心理を描く。発表と同時に全世界でベストセラーとなり、文壇に輝かしいデビューを飾ったサガンの処女作である。(出版社 / 著者からの内容紹介)
【感想】図書館で偶然見つけたのがきっかけ。


 読み始める前は悲劇的な結末を迎えるやや有名な古典というイメージがあったが、実際読み終えると古典的な読みにくさはあまり、というかほとんど感じなかった。さらに、これが著者のサガンが18の時に書いたのを知ってやや驚いた。18でこれほど繊細で表現溢れる文章が書けるものなのか。主人公が非常にサガンが書いたときの年齢と近いということを踏まえても、である。実際に文章に書き起こすのはとても難しいと思う。さすがベストセラーたる所以である。主人公のセシルと恋人のシリルとの恋愛表現がとてもみずみずしいなというのが一番印象に残った。


 最近別の人により新訳されているそうだ。新訳の方がこの朝吹訳よりも読みやすいとのレビューを見たので、気が向いたら読んでみたい。(新訳)
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年10月23日に読み終えた。

2010/10/21

世界の構造を把握するには歴史を統計的視点で見ればいい(J・ダイアモンド)

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 クーリエ・ジャポン2010年10月号より。


 この記事を書いたJ・ダイアモンドは「銃・病原菌・鉄」を著わしており、これが朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」というテーマで一位を獲得したのを以前新聞で読んだこともあって興味から読んでみた。


  歴史学の新しい形を提唱していて、歴史学では今まで用いられてこなかった自然実験や統計学の手法をもっと取り入れろ、的な感じである。


 この記事を読む限り、歴史と数学の融合体という形もなかなか面白いなと感じた。「銃・病原菌・鉄」に興味が出てきたので、早速図書館かどこかで調達しよう。

2010/10/19

君が望む永遠(野島けんじ)①~③

  
【タイトル】君が望む永遠①②③
【著者名】野島けんじ
【原作】 age
【発行年月日(初版)】2004/03/31、2004/04/30、2004/05/31
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】① 高校三年生の孝之は、親友の慎二や、水泳部のエース・水月とわいわい騒ぎながら過ごす毎日を送っている。そんなある日、孝之は水月に学校裏の丘の上に呼び出された。しかし、待っていた孝之の前に現れたのは水月ではなく、彼女の友達・遙だった。緊張した様子の遙から「好きです」と告白され、とまどう孝之。遙のことはよく知らない…でも、必死に思いを伝えようとする彼女を傷つけたくない。その思いから、孝之は「いいよ、つき合おう」と返事をする。ぎこちなくつきあい始めたふたりだったが…。大人気のPCゲーム発TVアニメの小説化、第1弾。
② 三年ぶりに目覚めた遙。しかし彼女は、三年間眠り続けていたことを認識できず、孝之の恋人として無邪気に甘えてくる。孝之は水月との関係を隠し優しく接するが、そのたび割りきれていない想いに悩み揺れる。遙の妹・茜は、その優柔不断さに怒りを募らせるものの、孝之の胸中を知るに従い複雑な思いにかられていく。一方、水月は孝之を支え続けようとするが、生活も想いもすれ違うばかり。毎日遙の見舞いに通う孝之の心が、そのまま自分から離れてしまうのではと不安にかられた水月は、だんだんと思いつめるようになり…。アニメ小説化、第2弾。
③ 遙は少しずつ現状を認識しはじめていた。事故からどれくらい経ったのか訊かれ、答えられない孝之。だが、姉をだますことに限界を感じていた茜は、ついに「お姉ちゃんは3年間眠っていたの!あの事故から3年経ったの!」と言ってしまう。茜の言葉にショックを受けた遙は、再び意識を失う。その頃、水月は、孝之の気持ちが離れていくと感じ、その寂しさから行きずりの男性とホテルに向かっていた。偶然出会った慎二にとめられたものの、「誰でもいい」と思いつめた水月は、慎二と一夜を共にしてしまい…。大好評のアニメ小説化、ついに完結。(「BOOK」データベースより
【感想】 友人の勧めにより。元々はエロゲーだそうで、この小説はそのノベライズ版ということになる。


 先入観の影響かも知れないが、なんとなく読んでいて表現に軽薄な印象を受けた。自分の気持ちが伝えられなくてどうしたらいいかわからないときに雨が降り注ぎ雷が鳴るなど、いかにも想像できそうな表現で全く心に響かなかった。

 原作はエロゲーで、ウィキペディアを読む限り様々なメディア展開がなされており、相当優秀な作品だったと思われる。しかしこのノベルからはその優秀さは伝わって来なかった。


 この小説を読んでいる途中に思ったことは、ライトノベルと一般的な小説との差である。(まあこの小説はライトノベルのジャンルに入るのかは微妙だと思うが…)ライトノベルと一般の小説の大きな差の一つに挿し絵の有無があると思う。小説は挿し絵がないぶん自由に情景を想像できるが、ライトノベルはイラストとして所々に情景が描かれている。そこから想像を発展することもできるし、また一方で想像を固定化してしまうという欠点もある。難しいところである。
【ランク】4
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年10月上旬に読み終えた。

2010/10/13

きみとぼくの壊れた世界(西尾維新)

【タイトル】きみとぼくの壊れた世界
【著者名】西尾維新
【発行年月日(初版)】2007年10月4日
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】世界に取り残された「きみとぼく」のための本格ミステリ―。西尾維新の最高峰との呼び声も高い傑作、待望のハードカバー化。(「BOOK」データベースより)

 推理小説らしいが、正直推理箇所はどうでもよかった。一応それなりのオチはついていたが、わりかしどーでもいいです。それよりも主人公、対する妹、病院坂、何とかりりすのによる会話のほうがよっぽど面白かった。


 特に主人公と妹の自宅での会話は心に来るものがあった。こうしてみると、自分はこの小説に何を求めていたのか少し分かったような気がする。つまり、小説だからこそ可能な文字による変態の創造を求めていると言える。(?)


 謎の種明かし文を読むと、なるほとな、位は思うが、読むのがかなり面倒だった。読者に対してくどくど冗漫に説明するのはどうなんだろうか。


 他にも一人称の視点から何か長々と抽象的な話題をしていたが、どーでもいいです。いや、むしろそういう箇所があったからこそ、自分が着目したところが心を掴むのだろうか。もしそういう意図で挿入したならすごいと思うが、そもそもこの感想自体ややこの小説を場かにしている感があるし、やはり意図的ではないと思う。


 ここいらで読み始めたきっかけとなったブログのこの本に対する詳細を確認してみると・・・

 "「もんだい編」での妹とツンデレがたまらない。妹が狂うサマや、クラスメイトがツン→デレ→○○に変化する阿吽(もちろん読者と筆者との阿吽)は萌え死にそうになった。期待した通りの展開は別名「おやくそく」とも言うが、ここまでキチンと守ってくれる1章だけでお腹いっぱい。西尾維新は初めてだが、「戯言」が多少鼻につくが、ウザくなるまでの寸止めが絶妙。

 この小説はミステリ(?)のつもりらしい。笑止。ミステリとしてはしょうもない。「もんだい編」のラストで殺人事件が起きるのだが、どうでもよい。あたしにゃ2章以降はオマケとしか思えなかった。あるいは1章を元に『まっとうな』ギャルゲを製作するという話なら乗ってみよう。"

 まさしくその通りと言うしかない。しかしこのブログを読み進めていくうちに、どうやらこの小説は俗に言う「BAD END」らしい。物語に変化がない日常、選択肢は出口がないから云々らしいが、自分はあまりそのような印象は沸かなかった。ギャルゲーに対する造詣がないからかもしれないが、個人的にはこのようなレベルのエンディングは「サイアク」とまでは言えないと思う。まあ妹とのコミュニケーションが楽しめただけ満足です。期待していた最悪な読後感は得られなかったが。

 さて、この本を紹介していただいたこのブログに感謝の気持ちとして生まれて初めてトラックバックというものをしてみようと思うがうまくいくだろうか・・

追記:Bloggerにはトラックバック機能はないようだ・・・まあ仕方がないな。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】 ライトノベル的名前
誰だよ?レベルの人名
心に来る描写
理性と感情の攻めぎあい
【備考】2010年10月13日に読み終えた。

2010/10/07

マリシャスクレーム(範乃 秋晴)

【タイトル】マリシャスクレーム
【著者名】範乃 秋晴
【発行年月日(初版)】2010/6/25
【登場人物の年齢層】20~
【概略】消費者意識が高まる中、それに付け込んだ非人間的かつ悪質なクレーマー―IPBCの存在が企業の倒産リスクを高めるまで問題化していた。これに対抗すべく起ち上げられたのがエマージェンシーカスタマーセンターである。センターには鼓膜を突き抜ける怨嗟の声が渦巻く。それに微動だにしない青年がいる。榊原常光、唯一の対IPBCのプロフェッショナル。狡猾かつ理不尽な相手に、それ以上に狡猾にそして冷酷に追い詰めていく常光。だが、今までにない異常な相手が現れ―。(「BOOK」データベースより)
【感想】新聞の広告を見、たまたま書店で見つけたのがきっかけ。


 最初は難癖をつける悪質クレーマーに対して圧倒的な会話力で論破しねじ伏せる…というような小説を期待していたのだが、実際に主人公がやりあったのは二件だけで、しかも一件はややリアリティーに欠けるものだった。リアリティーといえば登場人物の名前もかなり特徴的で、なんとなくだがリアリティーを損なっているように感じた。特に主人公の所属する所は、特殊部隊的なニュアンスを出そうとしているのかあまり見掛けない名前ばかりだった。


 主人公も不思議なキャラクターで、クレーマー相手にはやり込めたかと思うと、現実世界では全く空気が読めず(読まず?)、しかも最後ではまさかの上司にまでもてている、よく分からないキャラクターである。


 IPBCと呼ばれるクレーマーも、徹底した悪役でいればいいのに、最後ではやや人間性のある描写をしていて少し幻滅した。


 あまり重箱の隅をつつくのはよくないのでこの辺りでやめておく。クレーマーに対して対抗するというコンセプトはよかっただけにやや残念だ。
【ランク】4.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/10/05に読み終えた。

2010/10/03

ボトルネック(米澤穂信)

【タイトル】ボトルネック
【著者名】米澤穂信
【発行年月日(初版)】
平成21年10月1日(文庫版初版)
【登場人物の年齢層】中学生~高校生
【概略】亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)
【感想】 朝日新聞の書評欄で見たあと友人の勧めにより読み始めた。


 書評には「荒削り」と評されてあり、どんなものかと思ったらなるほどパラレルワールドという設定だったか。しかも自分がいない世界といた世界で徹底的に違いを見せつけられ、いかに自分が生まれたことが世界に負の影響を与えたことを認識して元の世界に戻って結末とは結構ビターである。


 ビターなエンディングは嫌いではないが…何とも言い難いものである。あまりこのようなビターなエンディング系統の小説を読んだことがないのも原因かな。
【ランク】6.25
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月下旬に読み終えた。

2010/09/25

ザラツィンは本当に悪いのか(シュテファン・タイル)













 ニューズウィーク2010年9月15日号より。


 内容はドイツの右派論客が遺伝子と知性を結びつけてイスラム教やユダヤ人批判したことに対してきわめて強烈なバッシングを浴びた、という内容。


 ザラツィンという人物の発言内容についてはどうでもよく、問題はドイツでは福祉制度に対する批判をタブー化してほとんど議論せず、少数意見を抹殺しているところである。


 ドイツの歴史的背景についてあまり詳しくないのであまり突っ込んだことは言えないが、ぱっと読んだ感じ昔のことに縛られすぎていてきちんとした議論が深まらないのは民主国家としてどうなのか、という印象を抱いた。

2010/09/24

マンガ史に見る性意識の変化(呉智英)















 タヴィンチ9月号より。

 取り上げられたマンガは以前友人から貸してもらって読んだ。独特な絵とそれを上回る話の展開が印象的だった。特に最初の話、すなわち記事中に取り上げられた話のインパクトはかなりのものだった。


 その話が今回研究対象として雑誌に取り上げられるのは興味深かった。どんなものでも見方を変えれば立派な研究対象になりうるようだ。

2010/09/22

ファミリーポートレイト(桜庭一樹)

【タイトル】ファミリーポートレイト
【著者名】桜庭一樹
【発行年月日(初版)】2008年11月20日
【登場人物の年齢層】~30代
【概略】あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。親子、だもの。
直木賞受賞後初の書き下ろし長編1000枚。
全身全霊感動のエンディングを迎える、恐るべき最高傑作!
ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷、な母の“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。
怒涛のごとき展開と濃密な物語に圧倒されながらページを繰る手が止まらない第一部「旅」、紙上の文字がいまにも叫び出しそうな言葉の力に溢れ、この作品を同時代に読めた喜びに震える第二部「セルフポートレイト」――二部構成となる本書は、進化と深化が止まらないモンスター作家・桜庭一樹の新たな金字塔となった!  面白くて、どこまでも凄い!!!
【感想】母と娘の一般的でない繋がりから成長し、最終的には比較的安定した環境に落ち着く物語…と言えばいいのだろうか、正直この手のタイプの小説は感想を具体化するのは難しいと感じる。

 ひとつ言えるのは、すべてを通じて母と娘、という関係がキーポイントになっていることである。母親にとって一番の存在であった主人公の立場が、主人公が成長していくに従って立場が変化していき、最後には母親に置いてきぼりにされる。その後も、主人公の代弁者的存在や、また心情のなかに登場している。一度読んだだけでこの関係を詳しく理解するのは難しい。しかし借り物だから仕方がない。二三回精読しないとこの小説を深く理解することは難しいのではないように思えた。

 本筋からそれるが、主人公の高校生のときの生活に憧れを抱いた。世間的には堕落していると思われても、自分の今の状況では実現不可能な生活なだけに羨ましい。徹底した堕落は小説だからこそ描けるのかもしれないが…堕落した生活は極めて魅力的である。
【ランク】ー
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/09/21に読み終えた。再読を促す。

2010/09/09

中国の若者を魅了したセクシー女優 蒼井そらは「日中友好のすばらしい大使」

クーリエジャポン2010年9月号より。

2010年3月27日にTwitterを始め、しばらくしてから有名人アカウントとして公認された。同年4月11日にTwitterがネット検閲の対象になっている中国ネットにIDが流出し、中国圏のネットユーザーからのアクセスが殺到した。中国のユーザー達は蒼井を「膜拝(女神様)」「性の師匠・蒼井空老師(蒼井そら先生)」と呼び、盛り上がった。この件に関して香港メディアから取材を受けた。なお、蒼井は『おねだり!!マスカット』『おねがい!マスカット』の出演者である「恵比寿マスカッツ」にTwitterを広げようと計画している。ちなみに計画は順調に進んでいるが、かすみ果穗等一部は2010年8月6日現在、ツイッター進出していない。(ウィキペディア「蒼井そら」より

AV女優と聞くとAVのみ活躍し、芸能界の表舞台には出てこないのかなと思っていたが、蒼井そらのようにAVからタレント・女優活動をする人がいるとは知らなかった。

この記事をスペインの日刊紙「ラ・バングアルディア」が報じたのは面白い。

しかしまあこの記事のカットの蒼井そら可愛いな、ちょっとAVを検索してみよう。

2010/09/08

僕らの課外授業(赤川次郎)

【タイトル】僕らの課外授業
【著者名】赤川次郎
【発行年月日(初版)】1984年2月25日
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】大和田倫子は中三の難しい年頃。両親への反発から酒と男に溺れ、揚句に自殺。だが東京駅に彼女の幽霊が!? 容子と友也の中三コンビが、醜い大人たちに挑戦状をたたきつけた!!(郷原 宏)
【感想】図書館のリサイクルコーナーに置いてあったのがきっかけ。
 赤川次郎の作品は初めて読む。名前は聞いたことはあるのだがどのような作品を書くのか全く知らなかったので、いい機会だと思う。
 内容は高校生ー大学生を主人公とするミステリー系小説が4本収録されている。何というか、非常に軽いタッチで描かれていて、また、殺人が起きても特に深刻にならない。解説ではそこが従来の作品と違うと書かれているが、ここまで軽いとあまりに歯ごたえがなさ過ぎてつまらない。書かれたのが古い時期だが古さはそこまで感じなかった。
【ランク】4
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月上旬に読み終えた。

だから、ひとりだけって言ったのに(クレール・カスティヨン、川村真紀子訳)


【タイトル】だから、ひとりだけって言ったのに
【著者名】クレール・カスティヨン
【訳者名】川村真紀子
【発行年月日(初版)】2010年8月10日
【登場人物の年齢層】10代、30代
【概略】母と娘のあいだには、甘くも美しくもない秘密がある―気鋭の作家が冴えた筆致で綴る、毒と悪意と、それでも消えぬ愛に彩られた女たちの物語。華麗にして不様、繊細にして無神経、痛々しくも軽やかな19色の母娘模様をご覧あれ。(「BOOK」データベースより)
【感想】途中まで読んでつまらないなと思い、読むのをやめた。短編集形式をとっており、一番最初の「だから、ひとりだけって言ったのに」という短編は少しいいな、と思ったがそれ以降の短編はどれもつまらなかった。母と娘の関係について描かれているが、鋭いのか鈍いのか微妙で、短編によって分かれるのも…。
 最初の短編で鋭さを見いだしたのだから、以降の短編もこの調子でやってほしい。全体の統一性に欠けるように感じた。
【ランク】4
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月上旬に読み終えた。

2010/09/07

英仏文学戦記(斎藤 兆史 ・ 野崎 歓)


【タイトル】英仏文学戦記
【著者名】斎藤 兆史 ・ 野崎 歓
【発行年月日(初版)】2010年7月22日
【登場人物の年齢層】ー
【概略】オースティン『高慢と偏見』×スタンダール『赤と黒』、ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』×フローベール『ボヴァリー夫人』、ナイポール『ある放浪者の半生』『魔法の種』×ウエルベック『素粒子』…イギリス小説とフランス小説が理屈抜きにどれだけ面白いか?19~20世紀の古典的作品でこれぞというものをぶつけあい、読み比べてみたらどうだろう?文学者・翻訳家として活躍するふたりが12の名作を読解し、その魅力を語り尽くす。読むことの生き生きとした愉しさを伝える文学対談。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館の新館コーナーを見て借りた。これはちょろちょろっとつまみ食いのように読んだけれど、
途中で読むのをやめた。対談で取り上げられる作品について全く読んだことがなく、読んでいてもほとんど理解できないからだ。もう少し取り上げられた作品を読んでからまた読んでみたい。とりあえず興味の沸いたゴールディングの『蝿の王』を読んでみるとしよう。
【ランク】ー
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月上旬に読み終えた。
対談中で取り上げたれた作品一覧…オースティン「高慢と偏見」、スタンダール「赤と黒」、スコット「アイヴォンホー」、ディケンズ「デイヴィッド・コパーフィールド」、バルザック「ゴリオ爺さん」、フローベール「ホヴアリー婦人」、フォスター「ハワーズ・エンド」、ブルドン「ナジャ」、ゴールディング「蝿の王」、カミュ「ペスト」、ナイボール「ある放浪者の半生」「魔法の種」、ウェルベッグ「素粒子」

2010/07/25

天地明察(冲方丁)★


【タイトル】天地明察
【著者名】冲方丁
【発行年月日(初版)】2009年11月30日
【登場人物の年齢層】20~
【概略】江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること--日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!
【感想】「ダ・ヴィンチ」より。
 冲方丁という作家はこの作品で初めて知った。ウィキペディアで調べてみるとライトノベル、SF作家・・・とさまざまなメディアのクリエイターというのがわかる。その人物の初めての歴史小説か・・
 歴史小説は実在した人物を登場人物にしていることが多いのでリアリティは高いなと思う。今回はそのリアリティに引きずり込まれた感じがした。
 碁打ちとしての話や、算術家、測量の話など様々な分野の話が主人公を中心に交わりあい、とても読みごたえのある読んでいて面白い小説であった。

 建部昌明が亡くなった場面での渋川と伊藤とのやり取りは涙が出そうになった。
【ランク】7.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年7月18日に読み終えた。



 感想を書くべき小説がたまっているな・・・読み終わって結構たっているのに感想を書いていないのはまずいな・・・結構苦行になりつつあるのも問題だな。。。

2010/07/11

W/F ダブル・ファンタジー(村山由佳)★

【タイトル】W/F ダブル・ファンタジー
【著者名】村山由佳
【発行年月日(初版)】2009/01/10
【登場人物の年齢層】30歳代
【概略】奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。(「BOOK」データベースより)
【感想】「ダ・ヴィンチ」より。
 村山由佳の作品は今まで読んだことがなく、ずっと一度と読んでみたいなと思っていた。友人からも「おいしいコーヒーの入れ方」がおもしろいよ、と言われていたがいかんせんシリーズものは読む気がしなかったが、今回ダ・ヴィンチに著者のインタビューが掲載されていたのがきっかけで読み始めることにした。

 読んでみた感想は、ひさしぶりに刺激的な小説を読んだ気分だ、こういう小説を読みたかった、というような感想になった。

 こういう小説を読むと同年代の比較的オタクな人々が「三次元は糞」という発言がなんてもったいないのだろうか、という気分になる。もちろん自分が今のところ充実した生活を送っている訳ではないが、現実世界における快楽を目指して生活していくのも悪くはないなと思う。この小説を現実世界に置き換えるのはナンセンスだが、理想として持っているのはいいと思う。

 また、 女性、快楽・・・まあいいや
【ランク】7.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/07/08に読み終えた。

2010/07/09

ディグニタスー自殺幇助団体ー⑧


(クーリエジャポン2010年6月号より)

 このような団体の存在を知っておくことはこれからの万が一の時に悪くはないと思う。
 自分は自殺は絶対悪という考えを持っているが、しかし人に迷惑をかけながら自殺する(電車に飛び降りるなど)よりは例えばこのような団体を利用するなどを検討しようとすれば、自然に(めんどくさくなって)自殺も減るのではないだろうか。知らないけど。(自殺したいほどつらい状況や経験がないので何とも言えないが)

ディグニタスー自殺幇助団体ー⑦

ディグニタスー自殺幇助団体ー⑥

ディグニタスー自殺幇助団体ー⑤

ディグニタスー自殺幇助団体ー④

ディグニタスー自殺幇助団体ー③

ディグニタスー自殺幇助団体ー②

2010/06/13

明日の話はしない(永嶋恵美)


【タイトル】明日の話はしない
【著者名】永嶋恵美
【発行年月日(初版)】2008/10/30
【登場人物の年齢層】子供~大人
【概略】「第一話 小児病棟」のわたし…難病で何年も入退院を繰り返して人生を悲観する小学生。「第二話 一九九八年の思い出」のわたし…男に金を持ち逃げされ一文無しになったオカマのホームレス。「第三話 ルームメイト」のわたし…大学を中退してから職を転々とし、いまはスーパーのレジ打ちで糊口をしのぐ26歳の元OL。「最終話 供述調書」のわたし…郵便局を襲撃し、逮捕された実行犯。「明日の話はしないと、わたしたちは決めていた」で始まる三つの別々な話が、最終話で一つになるとき―。(「BOOK」データベースより)

 明日が見えず希望のない話が4つ続いている。最後の話でそれぞれの話を一つの小説に帰着させている。

 この手の小説でここまで希望のないモノを読んだのは久しぶりだと思う。アマゾンのレビューに「もう少し希望を持たせてもよかった」というレビューをしている人がいたが、生半可な希望を加えて中途半端に終わる小説はいくらでもある。だったら徹底して希望を排除し絶望のみ描いたほうがオリジナリティを出せるしいいと考える。この小説は見事希望を排除している。

 ただ細部でリアリティを損なっている感じもする。「ケイ」「エフ」「爆弾魔」といったチープな名前はリアリティが乏しく小説の品質を落としている印象だった。もう少し徹底してリアリティを追求すれば良かったと思う。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】なし

2010/06/08

闇の子供たち(梁 石日)


【タイトル】闇の子供たち
【著者名】梁 石日
【発行年月日(初版)】2002年11月20日
【登場人物の年齢層】子供と大人
【概略】世界中の富裕層の性的玩具として弄ばれるタイの子供たち。アジアの最底辺で今、何が起こっているのか。モラルや憐憫を破壊する資本主義の現実と人間の飽くなき欲望の恐怖を描く衝撃作!(出版社/著者からの内容紹介)
【感想】「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」より。読んで鬱になるような本を求めて読み始めた。
 タイにおける児童売買に携わる者とそれに反対する団体を描いた物語である。性の道具として強要される子供たちの描写は生々しく、非情で過酷な世界が描かれている。外国人と子供によるセックスの描写はリアルで、こんな世界があるのかと衝撃だった。
 しかし読後に気持ちが鬱になるかと言えばならなかった。社会啓発の要素が強すぎる所以だと思うが、今回の「鬱になる小説を読む」という目的は達成されなかった。物語としても、児童売買の実態報告的な要素が強く、ストーリーとしても楽しめるようなものではなかったが、このような世界を知ったことは有益になったと考えよう。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/06/08に読み終えた。

2010/05/04

クロイツェル・ソナタ 悪魔(トルストイ/原卓也訳)


【タイトル】クロイツェル・ソナタ 悪魔
【著者名】トルストイ
【訳者名】原卓也
【発行年月日(初版)】1974年6月10日(文庫)
【登場人物の年齢層】成人
【概略】嫉妬のため妻を殺した男の告白を通して、惨劇の理由を迫真の筆に描き、性問題に対する社会の堕落を痛烈に批判した『クロイツェル・ソナタ』、実在の事件に自身の過去の苦い経験を交えて懺悔の気持をこめて書いた『悪魔』。性的欲望こそ人間生活のさまざまな悪や不幸、悲劇の源であるとして、性に関するきわめてストイックな考えと絶対的な純潔の理想とを披瀝した中編2作。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館のリサイクル本にあったのがきっかけ。 トルストイといえば「戦争と平和」が有名で、この本を読み始めたときも「戦争と平和を書いた著名な人だからこの本も結構難解なんだろうな」という気持ちで読み始めたが、読み終えてみると結構シンプルな話で難解さはあまりなかったように思う。クロイツェル・ソナタのほうは強烈な嫉妬のあまり妻を殺してしまう男の物語で、そこからトルストイのストイックな思想が書かれている。最初の方はかなり厳しい禁欲思想が教訓的に展開されているので少々だるいが、後半になると男の回想に入り、男が妻を刺してしまう場面は結構どきどきした。 『悪魔』も、結婚した良家の息子が昔深い仲となった女に対する欲望に葛藤を描いた作品である。こちらも最終的に主人公は自殺し、性的欲望は破滅を招くことを謳っている。この『悪魔』はトルストイ自身の経験と実在の事件を元に描かれているので葛藤の心情部分に真実味を帯びているようだった。
 当然の事ながら時代設定は古く、元の作品は1899年に出版されている。この文庫本もハードカバーの方は1952年に出版されている古さである。

 ただ文字サイズが小さいので中篇と書いてあるが量的には一冊の本に相当すると思う。(戦争と平和に比べたら圧倒的に少ないが…)

 『トランスポーター3』において、刑事が「ロシア文学は暗いものばかり」的なコメントをしていたのを思い出した。確かに自分が今まで読んだものはどれも暗いものばかりだなあ。この『悪魔』も、書き上げた後にトルストイは別のバージョンを考えていたそうで、それは昔の女を射殺したあと裁判で精神異常が認められ、最後には無惨なアル中患者になるというものである。こちらはさらに鬱で暗い。ロシア文学を読むときはある程度心構えが必要である。
【ランク】(6.5)
【読書中メモの総覧】
【備考】2010年4月に読み終えた。

2010/04/16

閉店時間(ジャック・ケッチャム、金子浩訳)


【タイトル】閉店時間
【著者名】ジャック・ケッチャム
【訳者名】金子 浩
【発行年月日(初版)】2008/7/30
【登場人物の年齢層】成人
【概略】9.11テロの傷痕残るニューヨーク。街では閉店間際のバーを狙った武装強盗が相次いでいた。バーテンダーのクレアは、恋に破れた哀しみを胸に抱えつつ今日も店に出る。自分を待ちうける運命も知らず…。未練を残して別れた恋人たちを襲う悪夢を描く、ブラム・ストーカー賞受賞の表題作をはじめ、意想外の結末へと読者を導く怒涛のサスペンス「ヒッチハイク」、傑作ノワール・ウエスタン「川を渡って」等、ケッチャム文学の最高峰を示す中篇四本を厳選して収録。加速する狂気に貴方はついていけるか。(「BOOK」データベースより)
【感想】ダヴィンチより。
 ダヴィンチにも掲載されていたと思うが、紹介文に「加速する狂気にあなたはついていけるか?」と書かれてあり、その言葉に惹かれて読み始めたのだが、正直そこまで狂気は感じられなかった。「閉店時間」は普通の強盗に巻き込まれたカップルの話だし、「ヒッチハイク」もあんまり狂気は感じない。ただ「雑草」は繰り返し強姦を行うカップルの話でそこそこ狂気は感じられたが、文章があまりに淡々、即ち物語の進行が記載されているだけで面白みは微妙である。(ストイックな文章がケッチャムの特徴とかなんとか解説に書いてあるので致し方ないが)最後の中篇は序盤で飽きて読むのをやめてしまった。
 加速する狂気という文句に惹かれて読んだが残念ながら期待に応える作品ではなかった。
【ランク】5+α
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/04/13に読み終えた。

2010/04/13

禿鷹狩り(逢坂剛)


【タイトル】禿鷹狩り
【著者名】逢坂剛
【発行年月日(初版)】2006年07月15日
【登場人物の年齢層】成人
【概略】ヤクザすら好人物に感じられる悪徳刑事・禿富鷹秋に巧妙に仕掛けられた執拗な罠。ヤクザも南米マフィアも手玉にとる男の前に最強の刺客が現れる…! 息を呑む展開のシリーズ完結編(「MARC」データベースより)
【感想】 禿鷹シリーズのラスト。
 今回は禿鷹クラスの悪徳刑事である石動と、それの相方である嵯峨のコンビとの禿鷹、渋六の人間、そしてクローズアップされた御子柴との対決をメインに描かれている。特に、石動という刑事は強烈で、禿鷹との狐と狸の化かしあいという表現は非常に的を射ていると思う。
 ラストでプロローグの話が誰だったのかが明かされているらしいが、正直よくわからなかった。がん宣告されているというのがヒントになっていると思うのだが、イマイチよくわからん。多分もう一度読み直せば分かるような気もするが、そんな気力は沸いてこない。
 個人的には本作品で急激にクローズアップされた御子柴刑事が気になる。禿鷹の悪事に手を貸した御子柴のその後が気になるが、外伝での活躍に期待したい。
禿鷹シリーズの外伝が別冊文藝春秋で連載されているらしい。禿鷹の死後が描かれているので、早く単行本になってほしいものだ。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/04/05に読み終えた。

紅~醜悪祭~上・下(片山憲太郎)














【タイトル】紅~醜悪祭~ 上・下
【著者名】山本憲太郎
【絵】山本ヤマト
【発行年月日(初版)】2007/11/30・2008/04/30
【登場人物の年齢層】高校生・他
【概略】上巻:新米揉め事処理屋の高校生・紅真九郎。紫と初めて迎えるクリスマスを目前に、銀子からもたらされた凶報。それは、真九郎の目標である柔沢紅香の死。信じられない真九郎は、その真偽を確かめる決意をする。そんな中、新たな依頼人が現れる。瀬川静之、6歳。姉の行方を探してほしいと言う彼女の依頼を受けた真九郎は早速動き出す。守るべきもの、進むべき道、そして生きる意味。真九郎の心が向かう未来は…。(「BOOK」データベースより)
 下巻:聖夜目前の新米揉め事処理屋・紅真九郎。最年少の依頼人・瀬川静之からの依頼を発端に、麗宇商会最高顧問“弧人要塞”星噛絶奈に遭遇し、すべての鍵を握る彼女から情報を得ようとしたが、最強かつ最凶の絶奈を前に、真九郎はなす術がない。悩み抜いた末に、真九郎はある奇策に出る。そして迎えたクリスマスイブ。真九郎のもとへ、絶奈から「イベント」の招待が来る。クリスマスプレゼントを待つ紫と、姉の帰りを待つ静之。二人の願いを叶えるため、そして自らの誇りのため、真九郎はその地へ向かう決意をするが…。(「BOOK」データベースより)
【感想】紅シリーズ第三作目。
 感想は「えっ」である。こんな終わりかたでいいのかというような終わりかたで、呆気にとられてしまった。悪宇商会の最高顧問である星噛との対決が始まった、という終わりかたは打ち切りになった漫画の最終回レベルの酷さだ。紫が近くにいるときのチートレベルの強さも相変わらずであるし、嫌な終わりかたである。
 ただ、前二作はおわりという文が入っていたのに対し、今回は上巻にも下巻にもおわりという文は見当たらなかったので、これから続くという事もなくはないと思うのだが、だとしたらあの下巻の巻末付録的なオマケはなんなのだろうかともかく、次回作がもしあるのなら早くでてほしいし、この終わりかたでおわりであるなら読むべきではなかった。
 
 どうやらアマゾンのレビューを読む限り公式ファンブックにこの醜悪祭のオチ的なものが掲載されているらしい。仕方がないが買うか・・・・
【ランク】3(暫定)
【読書中メモの総覧】なし