2011/01/30

僕は勉強ができない(山田詠美)、69 sixty nine(村上龍)

 

 手持ちの小説がなくて困っていたので、以前読んだことのあるものを図書館で借りてきた。僕は勉強はできない(山田詠美)は3回目、69 sixty nine(村上龍)はおそらく2回目だと思う。69の方は記録を始める前に読んだようなので記録には残っていないが・・・。

 特に意識したわけではないが、どちらも主人公が高校生、時代がやや古いことが共通している。そしてどちらの主人公も高校生活をかなりエンジョイしている。正直自分には到底できそうにない生活で羨ましいものである。だいたいパソコンと試験前に勉強しているような自分にとってこの二作の主人公に完全に負けてる。


 個人的には「僕は勉強ができない」に登場する脇山、奥村先生が自分にとって近い感じである。実際女の子に気をあるそぶりを見せられた後あっけなく振られると絶望するに決まってるであろう。奥村先生は堅物で、主人公という生意気なイレギュラーなガキの対応に苦労する。自分も先生になったと仮定して主人公のような存在の先生になれる自信がない。


 69のほうは村上龍作品のなかでは一番読みやすいのではないか、と思うぐらい読みやすい。村上の実体験をベースに書かれている。学生運動があった時代を描いているが、エネルギーに満ちあふれているのが読んで伝わってくる。羨ましい。

2011/01/28

僕は友達が少ない3.4.5(平坂読、ブリキ)




【タイトル】僕は友達が少ない3,4,5

【著者名】平坂読
【絵】ブリキ
【発行年月日(初版)】2010/3/24、2010/07/31、2010/11/30
【登場人物の年齢層】10~高校生
【概略】省略
【感想】相変わらず絵はうまい。

 夜空が実は小学校の時の親友という、言ってみれば物語最大の核を最後で回収したのに、後書きを読む限りまだまだ続刊ずるそうだ。じゃあなぜこのタイミングで回収したんだ、と突っ込みたくなる。

 ギガジンで入間人間がインタビューで言っていた、「売れるとひたすらシリーズ化(引き延ばしともいう)を勧められること。どの話も一巻は続編をふまえて出していないので、飽き性にとっては苦行となります。」まあこういう言ってみれば日常を描いた作品に終わりなんてないのだが、それでもだらだら続くのは読んでいてだるい。途中で読むのをやめることができない性格なのでこれからも読むと思うが……
 
 続刊が確約されているからか、それぞれの最終話で次巻のフラグをたてて終わるようになっている。非常にだるい。これで既刊はすべて読み終えてしまったので、次が出るまで待つしかない。はたして出るまでに飽きてはいないだろうか……こういうところが嫌なのである。あとで調べてみると第6巻は5月25日に出版されるそうだ。まったく長すぎである。
【ランク】3.5+α
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011/01/28に読み終えた。

2011/01/22

僕は友達が少ない1,2(平坂読、ブリキ)



【タイトル】僕は友達が少ない1,2
【著者名】平坂読
【イラスト】ブリキ
【発行年月日(初版)】2009年8月21日、11月21日
【登場人物の年齢層】
(「BOOK」データベースより)
【概略】学校で浮いている羽瀬川小鷹は、ある時いつも不機嫌そうな美少女の三日月夜空が一人で楽しげに喋っているのを目撃する。「もしかして幽霊とか見える人?」「友達と話していただけだ。エア友達と!」「(駄目だこいつ…)」小鷹は夜空とどうすれば友達が出来るか話し合うのだが、夜空は無駄な行動力で友達作りを目指す残念な部まで作ってしまう。しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて―。みんなでギャルゲーをやったりプールに行ったり演劇をやったり色々と迷走気味な彼らは本当に友達を作れるのか?アレげだけどやけに楽しい残念系青春ラブコメディ誕生。

隣人部―それは残念な連中が日夜友達作りのためのギャルゲーや演劇などどこか空回りな活動をしたり、ダベったりしている残念な部。残念系美少女の三日月夜空や柏崎星奈、美少女メイド(ただし男子)の楠幸村に加え、幼女シスターで顧問のマリア先生やいろんな意味で常識を超えた天才少女の志熊理科も加わり、ますます騒がしくて取り返しのつかない状況になってしまった隣人部。その中でただ一人の常識人(ただし友達は少ないというか、いない?)羽瀬川小鷹はいったいどうなる!?大人気の残念系青春ラブコメ第二弾、友達を募集しつつスタート。(「BOOK」データベースより)
【感想】漫画を読んだのがきっかけ。


 よくも悪くも「ライトノベル」な文章である。お陰ですぐに読み終えた。話自体が決してつまらないわけではないのだが、慣れてないからか読んでいて恥ずかしくなる感じだった。(内容自体というよりも、文体というべきだろうか)まあお手軽に読めるので、続きも読んでみようかと思う。



 しかし絵はうまい。
【ランク】4+α
【読書中メモの総覧】
なし
【備考】2011年1月21日に読み終えた。

2011/01/15

図書室からはじまる愛(パドマ・ヴェンカトラマン、小梨直訳)



【タイトル】図書室からはじまる愛
【著者名】パドマ・ヴェンカトラマン
【訳者名】小梨直
【発行年月日(初版)】2010年6月20日
【登場人物の年齢層】高校生~
【概略】1941年、インド。お嬢さまとして何不自由なく育ったヴィドヤは、尊敬する父親が重いけがを負ったことで生活が一変、苦しみの日々を送るようになる。しかし、禁じられた図書室にしのび込んだことから、希望を見いだしていく…。2009年全米図書館協会「ヤングアダルトのためのベストブックス」ボストン作家協会賞受賞。(「BOOK」データベースより)
【感想】偶然図書館で見つけて、タイトルに興味を持ったのがきっかけ。


 「ヤングアダルトのベストブックス」に選ばれただけあって、ストレートながらまあまあ深い内容だったと思う。特に文章にひねりが加わってないので一日に読み終えることができた。


 ……と思っていたのだが、あまりにストレートな内容だったのであまり印象に残らないからだろうか、読み終えた直後なのに感想を書くことができない。とりあえず厳格ながらも理解力のある祖父がかっこいいなと思ったぐらいである。また、この作者の経験もある程度基づいて書かれているのかな、と思ったぐらいである。ひとつ強く思ったのは、このタイトルのセンスはひどい。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011年1月15日に読み終えた。

2011/01/10

歌うクジラ上・下(村上龍)


【タイトル】歌うクジラ上・下
【著者名】村上龍
【発行年月日(初版)】2010年10月25日
【登場人物の年齢層】15~176
【概略】2022年のクリスマスイブ、ハワイの海底で、グレゴリオ聖歌を正確に繰り返し歌うザトウクジラが発見された…。そして100年後の日本、不老不死の遺伝子を巡り、ある少年の冒険の旅が始まる。/見知らぬ声に導かれるように、果てしない旅は続く。やがて青い地球を彼方に眺める宇宙空間に想像を絶する告白が。圧倒的な筆力と想像力。村上龍渾身の壮大な希望の物語。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館の新刊コーナーに置いてあったのがきっかけ。


 一読した限り、少年の壮大な冒険物語ととらえることもできるし、将来の日本の様子に警笛を鳴らしている作品ともとれる。一読しただけでも様々なとらえ方ができる、さすが村上作品と言わんばかりであると思った。また、他の作品に比べてメッセージがわかりやすい印象を受けた。おそらく今まで読んだ村上龍作品の中でも比較的読みやすい分類に入るのではないかと思う。例えば「共生虫」における掲示板のやりとりなど、読んでいて怠い文章がなかった。加えて、今まで文庫版のかなり狭い行間でしか村上龍作品を読まなかったので、このハードカバーは行間が比較的あったので非常に読みやすかった。この行間で読んだあと文庫版の狭さで読むのはかなり苦痛である。


 「エクスタシー」を書いた著者だけあって、主人公の性的な興奮描写がかなりぐっと来た。この辺りはさすがだと思う。読んでいて主人公の心情がダイレクトに伝わってきて、こっちまで興奮した。


 カバーデザインが洒落ている。透明なカバーを使って下が透けるようにしてあるのは他では見たことがない。ただ、図書館だとカバーが外れないように専用のテープで留めてあるので下地をカバーを外すことができない点が残念。まあ仕方がないのだが、これに限らず図書館のすべての本が同じ質感であることが購入した本に劣る点のひとつだと思う。
【ランク】7
【読書中メモの総覧】カバーデザインが洒落ている
文庫本の村上龍作品と違い行間があるので読みやすい
【備考】2011年01月04日に読み終えた。再読を促す。