【タイトル】マリシャスクレーム
【著者名】範乃 秋晴
【発行年月日(初版)】2010/6/25
【登場人物の年齢層】20~
【概略】消費者意識が高まる中、それに付け込んだ非人間的かつ悪質なクレーマー―IPBCの存在が企業の倒産リスクを高めるまで問題化していた。これに対抗すべく起ち上げられたのがエマージェンシーカスタマーセンターである。センターには鼓膜を突き抜ける怨嗟の声が渦巻く。それに微動だにしない青年がいる。榊原常光、唯一の対IPBCのプロフェッショナル。狡猾かつ理不尽な相手に、それ以上に狡猾にそして冷酷に追い詰めていく常光。だが、今までにない異常な相手が現れ―。(「BOOK」データベースより)
【感想】新聞の広告を見、たまたま書店で見つけたのがきっかけ。
最初は難癖をつける悪質クレーマーに対して圧倒的な会話力で論破しねじ伏せる…というような小説を期待していたのだが、実際に主人公がやりあったのは二件だけで、しかも一件はややリアリティーに欠けるものだった。リアリティーといえば登場人物の名前もかなり特徴的で、なんとなくだがリアリティーを損なっているように感じた。特に主人公の所属する所は、特殊部隊的なニュアンスを出そうとしているのかあまり見掛けない名前ばかりだった。
主人公も不思議なキャラクターで、クレーマー相手にはやり込めたかと思うと、現実世界では全く空気が読めず(読まず?)、しかも最後ではまさかの上司にまでもてている、よく分からないキャラクターである。
IPBCと呼ばれるクレーマーも、徹底した悪役でいればいいのに、最後ではやや人間性のある描写をしていて少し幻滅した。
あまり重箱の隅をつつくのはよくないのでこの辺りでやめておく。クレーマーに対して対抗するというコンセプトはよかっただけにやや残念だ。
【ランク】4.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/10/05に読み終えた。
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