2010/09/25

ザラツィンは本当に悪いのか(シュテファン・タイル)













 ニューズウィーク2010年9月15日号より。


 内容はドイツの右派論客が遺伝子と知性を結びつけてイスラム教やユダヤ人批判したことに対してきわめて強烈なバッシングを浴びた、という内容。


 ザラツィンという人物の発言内容についてはどうでもよく、問題はドイツでは福祉制度に対する批判をタブー化してほとんど議論せず、少数意見を抹殺しているところである。


 ドイツの歴史的背景についてあまり詳しくないのであまり突っ込んだことは言えないが、ぱっと読んだ感じ昔のことに縛られすぎていてきちんとした議論が深まらないのは民主国家としてどうなのか、という印象を抱いた。

2010/09/24

マンガ史に見る性意識の変化(呉智英)















 タヴィンチ9月号より。

 取り上げられたマンガは以前友人から貸してもらって読んだ。独特な絵とそれを上回る話の展開が印象的だった。特に最初の話、すなわち記事中に取り上げられた話のインパクトはかなりのものだった。


 その話が今回研究対象として雑誌に取り上げられるのは興味深かった。どんなものでも見方を変えれば立派な研究対象になりうるようだ。

2010/09/22

ファミリーポートレイト(桜庭一樹)

【タイトル】ファミリーポートレイト
【著者名】桜庭一樹
【発行年月日(初版)】2008年11月20日
【登場人物の年齢層】~30代
【概略】あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。呪いのように。親子、だもの。
直木賞受賞後初の書き下ろし長編1000枚。
全身全霊感動のエンディングを迎える、恐るべき最高傑作!
ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。うつくしく、若く、魂は七色に輝く、そしてどうしようもなく残酷、な母の“ちいさな神”として生まれた娘の5歳から34歳までを描く。
怒涛のごとき展開と濃密な物語に圧倒されながらページを繰る手が止まらない第一部「旅」、紙上の文字がいまにも叫び出しそうな言葉の力に溢れ、この作品を同時代に読めた喜びに震える第二部「セルフポートレイト」――二部構成となる本書は、進化と深化が止まらないモンスター作家・桜庭一樹の新たな金字塔となった!  面白くて、どこまでも凄い!!!
【感想】母と娘の一般的でない繋がりから成長し、最終的には比較的安定した環境に落ち着く物語…と言えばいいのだろうか、正直この手のタイプの小説は感想を具体化するのは難しいと感じる。

 ひとつ言えるのは、すべてを通じて母と娘、という関係がキーポイントになっていることである。母親にとって一番の存在であった主人公の立場が、主人公が成長していくに従って立場が変化していき、最後には母親に置いてきぼりにされる。その後も、主人公の代弁者的存在や、また心情のなかに登場している。一度読んだだけでこの関係を詳しく理解するのは難しい。しかし借り物だから仕方がない。二三回精読しないとこの小説を深く理解することは難しいのではないように思えた。

 本筋からそれるが、主人公の高校生のときの生活に憧れを抱いた。世間的には堕落していると思われても、自分の今の状況では実現不可能な生活なだけに羨ましい。徹底した堕落は小説だからこそ描けるのかもしれないが…堕落した生活は極めて魅力的である。
【ランク】ー
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/09/21に読み終えた。再読を促す。

2010/09/09

中国の若者を魅了したセクシー女優 蒼井そらは「日中友好のすばらしい大使」

クーリエジャポン2010年9月号より。

2010年3月27日にTwitterを始め、しばらくしてから有名人アカウントとして公認された。同年4月11日にTwitterがネット検閲の対象になっている中国ネットにIDが流出し、中国圏のネットユーザーからのアクセスが殺到した。中国のユーザー達は蒼井を「膜拝(女神様)」「性の師匠・蒼井空老師(蒼井そら先生)」と呼び、盛り上がった。この件に関して香港メディアから取材を受けた。なお、蒼井は『おねだり!!マスカット』『おねがい!マスカット』の出演者である「恵比寿マスカッツ」にTwitterを広げようと計画している。ちなみに計画は順調に進んでいるが、かすみ果穗等一部は2010年8月6日現在、ツイッター進出していない。(ウィキペディア「蒼井そら」より

AV女優と聞くとAVのみ活躍し、芸能界の表舞台には出てこないのかなと思っていたが、蒼井そらのようにAVからタレント・女優活動をする人がいるとは知らなかった。

この記事をスペインの日刊紙「ラ・バングアルディア」が報じたのは面白い。

しかしまあこの記事のカットの蒼井そら可愛いな、ちょっとAVを検索してみよう。

2010/09/08

僕らの課外授業(赤川次郎)

【タイトル】僕らの課外授業
【著者名】赤川次郎
【発行年月日(初版)】1984年2月25日
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】大和田倫子は中三の難しい年頃。両親への反発から酒と男に溺れ、揚句に自殺。だが東京駅に彼女の幽霊が!? 容子と友也の中三コンビが、醜い大人たちに挑戦状をたたきつけた!!(郷原 宏)
【感想】図書館のリサイクルコーナーに置いてあったのがきっかけ。
 赤川次郎の作品は初めて読む。名前は聞いたことはあるのだがどのような作品を書くのか全く知らなかったので、いい機会だと思う。
 内容は高校生ー大学生を主人公とするミステリー系小説が4本収録されている。何というか、非常に軽いタッチで描かれていて、また、殺人が起きても特に深刻にならない。解説ではそこが従来の作品と違うと書かれているが、ここまで軽いとあまりに歯ごたえがなさ過ぎてつまらない。書かれたのが古い時期だが古さはそこまで感じなかった。
【ランク】4
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月上旬に読み終えた。

だから、ひとりだけって言ったのに(クレール・カスティヨン、川村真紀子訳)


【タイトル】だから、ひとりだけって言ったのに
【著者名】クレール・カスティヨン
【訳者名】川村真紀子
【発行年月日(初版)】2010年8月10日
【登場人物の年齢層】10代、30代
【概略】母と娘のあいだには、甘くも美しくもない秘密がある―気鋭の作家が冴えた筆致で綴る、毒と悪意と、それでも消えぬ愛に彩られた女たちの物語。華麗にして不様、繊細にして無神経、痛々しくも軽やかな19色の母娘模様をご覧あれ。(「BOOK」データベースより)
【感想】途中まで読んでつまらないなと思い、読むのをやめた。短編集形式をとっており、一番最初の「だから、ひとりだけって言ったのに」という短編は少しいいな、と思ったがそれ以降の短編はどれもつまらなかった。母と娘の関係について描かれているが、鋭いのか鈍いのか微妙で、短編によって分かれるのも…。
 最初の短編で鋭さを見いだしたのだから、以降の短編もこの調子でやってほしい。全体の統一性に欠けるように感じた。
【ランク】4
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月上旬に読み終えた。

2010/09/07

英仏文学戦記(斎藤 兆史 ・ 野崎 歓)


【タイトル】英仏文学戦記
【著者名】斎藤 兆史 ・ 野崎 歓
【発行年月日(初版)】2010年7月22日
【登場人物の年齢層】ー
【概略】オースティン『高慢と偏見』×スタンダール『赤と黒』、ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』×フローベール『ボヴァリー夫人』、ナイポール『ある放浪者の半生』『魔法の種』×ウエルベック『素粒子』…イギリス小説とフランス小説が理屈抜きにどれだけ面白いか?19~20世紀の古典的作品でこれぞというものをぶつけあい、読み比べてみたらどうだろう?文学者・翻訳家として活躍するふたりが12の名作を読解し、その魅力を語り尽くす。読むことの生き生きとした愉しさを伝える文学対談。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館の新館コーナーを見て借りた。これはちょろちょろっとつまみ食いのように読んだけれど、
途中で読むのをやめた。対談で取り上げられる作品について全く読んだことがなく、読んでいてもほとんど理解できないからだ。もう少し取り上げられた作品を読んでからまた読んでみたい。とりあえず興味の沸いたゴールディングの『蝿の王』を読んでみるとしよう。
【ランク】ー
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年9月上旬に読み終えた。
対談中で取り上げたれた作品一覧…オースティン「高慢と偏見」、スタンダール「赤と黒」、スコット「アイヴォンホー」、ディケンズ「デイヴィッド・コパーフィールド」、バルザック「ゴリオ爺さん」、フローベール「ホヴアリー婦人」、フォスター「ハワーズ・エンド」、ブルドン「ナジャ」、ゴールディング「蝿の王」、カミュ「ペスト」、ナイボール「ある放浪者の半生」「魔法の種」、ウェルベッグ「素粒子」