2010/01/25

無防備都市(逢坂剛)


【タイトル】無防備都市
【著者名】逢坂剛
【発行年月日(初版)】2002年1月15日
【登場人物の年齢層】成人
【概略】史上最悪の刑事・禿富鷹秋は神宮署の放し飼い。信じるものは拳とカネ。汚れきった無頼漢に南米マフィアの魔の手が。新警察暗黒小説(「BOOK」データベースより)
【感想】「禿鷹の夜」の続編。今回は主人公と対立する警察官も登場し、より主人公の活躍の様子が読める。
 前作と同じく、主人公の思考や心理描写が一切省かれている。その事も影響してか悪の象徴のような存在に畏敬の念を抱いた。小説の最後の方に主人公にはめられた松国警視という人物が主人公に対して「松国は禿富に対してある種の畏敬のようなものを、感じていた。禿富の中に、自分自身がついに持ちえなかった貴重な資質を、見出したのだった。(中略)松国は心のどこかで禿富の生き方をうらやましく感じ、あこがれている自分を意識するのだ。」と述べているが、全く同感である。
 この主人公に畏敬し憧れの念を抱くのは、自分がおそらくもつことができないであろう主人公の状態、例えば異常なほどの強さ、冷酷さなどに惹かれているからだと思う。主人公のような空想のキャラを産み出すことができるのも小説の良いところであり、そのようなキャラの物語を読んで楽しむのも読書することによる面白さの一つだなと思った。


 全く関係ないことだが、今回からシャープな文章を意識して感想を書いてみた。でもあんまり変わらない(´・ω・`)
【ランク】6.5(暫定)
【読書中メモの総覧】-
【備考】2010年01月23日に読み終えた。

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