2011/04/06

雑文集(村上春樹)★


【タイトル】雑文集
【著者名】村上春樹
【発行年月日(初版)】2011/01/30
【登場人物の年齢層】-
【概略】インタビュー、受賞の挨拶、海外版への序文、音楽論、書評、人物論、結婚式の祝電――。初収録エッセイから未発表超短編小説まで満載の、著者初の「雑文集」!
【感想】ジュンク堂で見かけて。前も本屋で見かけて買うか悩んだが、読む本が手元にないことだし買ってみた。
こういった感じで小説以外の村上春樹の文章をよんだことはなかったのでなんか新鮮だった。(まあ小説も2、3作品しか読んでないのだが)そうは言っても読んでいく文章には(当然だが)村上春樹っぽさが滲み出ていた。以下思ったこと。


・やたらカタカナ英語が使われる回数が多い……この本を読むにあたって正直辞書が手放せなかった。リヴィジョニスト
(修正主義者、こちらを参照)やアジテーター(煽動者)なんて単語をどれぐらいの日本人が知っているのか。もちろん自分の語彙力の無さのせいでもあるしまた自分が想定された読者でないかもしれない、英語でないとニュアンスが伝わらないなどあるだろうが、辞書を使う機会がちょいちょいあった。


・紹介された本に興味をそそられる…この本で出てきた小説にすごい興味がわいた。序文やら解説やらで村上春樹が寄せた文章がこの本に掲載されているのだが、その文章がまた興味を抱かせる。というか作品に加えて作者に関する話が載っていて、それを読むと「いったいこの人はどんな作品を書いたんだろう」という感じになる。


・ジャズを中心に音楽に詳しい…
村上春樹が若い頃にジャズ喫茶店をやっていたのはあとになって知ったのだが、小説家としてのイメージしかないのでこんなに詳しいことのギャップに驚いた。正直あまりに専門的でよく分からないのでちょっと読み飛ばしてしまったが、これを読むとジャズを聴いてみようかなと言う気分になってくるのは確かだ。特に「日本人にジャズは理解できているんだろうか」という章ではブランフォード・マルサリスと言う黒人ジャズ・ミュージシャンの発言からジャズの背景や歴史から黒人の抑圧の歴史を読み解いている。正直自分が完全に噛み砕いて消化できているとは言い難いが、少なくとも知識欲をそそられる文章で、ジャズが全く分からない自分でも興味深いなあと思った。



余談だが、カバーが半透明になっていてそこに字が書かれていて、見たことがない美しいデザインになっている。触り心地も良い。分厚くて読み応えもあり、買って良かったなあと思っている。
【ランク】6.5+α
【読書中メモの総覧】やたら英語が使われ読みづらいリヴィジョニストなんてどれぐらいの日本人が知っているのか
音楽にこんなに詳しいんだ
【備考】2011/04/06に読み終えた。

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