2011/04/20

海辺のカフカ(村上春樹)

 

【タイトル】海辺のカフカ上・下
【著者名】村上春樹
【発行年月日(初版)】2002/09/10
【登場人物の年齢層】15~
【概略】15歳になった僕は二度と戻らない旅に出た。彼は長身で、寡黙だった。金属を混ぜ込んだような強い筋肉を持ち、世界でいちばんタフな15歳の少年になりたいと思っていた。東京都中野区にもしある日、空から突然2000匹の生きた魚が路上に落ちてきたら、人々は驚かないわけにはいかないだろう。多くのネコたちは名前を持たない。多くのネコたちは言葉をもたない。しかしそこには言葉を持たず、名前を持たない悪夢がある。(「BOOKデータベースより」)
【感想】上巻 大島さんが「想像力を欠いた」「うつろな連中」を論破する場面が印象に残った。論破と行っても理屈責めで打ち勝つわけではなく、自分のマイノリティーな部分をカミングアウトして相手を黙らせたので果たして論破というかは謎であるが。以下その連中を追い返した大島さんが言った言葉。全く納得である。寛容性を常々言っていた自分にぴったりである。
 「実にそういうことだ。でもね、田村カフカくん、これだけは覚えておいた方が良い。結局のところ、佐伯さんの幼なじみの恋人を殺してしまったのも、そういった連中なんだ。想像力を欠いた狭量さ、非寛容さ。ひとり歩きするテーゼ、空疎な用語、簒奪された理想、硬直したシステム。僕にとってほんとうに怖いのはそういうものだ。僕はそういうものを心から恐れ憎む。何が正しいか正しいくないか--もちろんそれもとても重要な問題だ。しかしそのような個別的な判断の過ちは、多くの場合、後になって訂正できなくはない。過ちを進んで認める勇気さえあれば、だいたいの場合取りかえしはつく。しかし想像力を欠いた狭量さや非寛容さは寄生虫と同じなんだ。宿主を変え、かたちを変えてどこまでもつづく。そこには救いはない。僕としては、その手のものにここには入ってきてもらいたくない」

 正直難しい、というかよくわからない。一読では無理だ、という印象。抽象的な話が続くし、登場する生物の各々が何らかの象徴を表しているような気がするが、何を表しているかはよくわからない。単なる15歳の家出物語とくくれないのは明白だ。とりあえず図書室にあった海辺のカフカ関連の新書でもよんでみるか。
【ランク】?
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011/04/20に上、

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