2009/04/06

蛇にピアス(金原ひとみ)


【タイトル】蛇にピアス
【著者名】金原ひとみ
【発行年月日(初版)】2004年1月10日
【登場人物の年齢層】18付近
【概略】ピアッシングや刺青などの身体改造を題材に、現代の若者の心に潜む不気味な影と深い悲しみを、大胆な筆致で捉えた問題作である。埋め込んだピアスのサイズを大きくしていきながら、徐々に舌を裂いていくスプリットタン、背中一面に施される刺青、SM的なセックスシーン。迫力に満ちた描写の一方で、それを他人ごとのように冷めた視線で眺めている主人公の姿が印象的だ。第130回芥川賞受賞作品。
顔面にピアスを刺し、龍の刺青を入れたパンク男、アマと知り合った19歳のルイ。アマの二股の舌に興味を抱いたルイは、シバという男の店で、躊躇(ちゅうちょ)なく自分の舌にもピアスを入れる。それを期に、何かに押されるかのように身体改造へとのめり込み、シバとも関係を持つルイ。たが、過去にアマが殴り倒したチンピラの死亡記事を見つけたことで、ルイは言いようのない不安に襲われはじめる。
本書を読み進めるのは、ある意味、苦痛を伴う行為だ。身体改造という自虐的な行動を通じて、肉体の痛み、ひいては精神の痛みを喚起させる筆力に、読み手は圧倒されるに違いない。自らの血を流すことを忌避し、それゆえに他者の痛みに対する想像力を欠落しつつある現代社会において、本書の果たす文学的役割は、特筆に価するものといえよう。弱冠20歳での芥川賞受賞、若者の過激な生態や風俗といった派手な要素に目を奪われがちではあるが、「未来にも、刺青にも、スプリットタンにも、意味なんてない」と言い切るルイの言葉から垣間見えるのは、真正面から文学と向き合おうとする真摯なまでの著者の姿である。(中島正敏)
【感想】「オートフィクション」を先に読んだので、これも「オートフィクション」と同じように支離滅裂という感じの文章なのかなと思っていたが自分としてはこっちの方が読みやすく、また痛みをうまく表されていて面白い。ただなんというかwikipediaに『選考委員の石原慎太郎は受賞作発表後の記者会見において、この回の候補作全体に対して否定的見解を示して「今年は該当作無しでも良かったんじゃないか」と前置きした上で、それでも同時受賞した2作品・「蹴りたい背中」(綿矢りさ著)、「蛇にピアス」からいずれかを選ぶならば「蛇にピアス」を推すとしている』としているが私としては「蹴りたい背中」の方が秀逸だと思う。また、アマゾンに書評が載っており概略として引っ張ってきたが、これは少々読み解き過ぎではないかと思う。あと終わり方が少々味気ない気がするが、どうやら単行本にするにあたり改変されたようで、改変される前の結末の要約を読んだがこちらのほうが良い気がする。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】▼芥川賞は真っ当なテーマばかりじゃないんだ▼終わり方
【備考】2009年4月6日に読み終えた

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