2011/05/01

色彩の息子(山田詠美)


【タイトル】色彩の息子
【著者名】山田詠美
【発行年月日(初版)】1991年04月20日
【登場人物の年齢層】多岐
【概略】さまざまな色にたくされた愛を求める心の裏側にぴったりと寄り添うような深い闇。その闇を憎みつつその深さに酔わずにはいられない“私”たち…。しっとりとぼくの体にまとわり付く、声の血―赤。とろりとしたヴァセリンの塊をすくう彼の指―黄。心に刻み込まれてしまった黒子―黒。朝陽に輝く蜘蛛の糸の指輪―銀…それぞれの色から、孤独、愛への渇望、絶望と憎悪、そして再生が立ち上がってくる異色短編集。(BOOKデータベースより)
【感想】ダヴィンチより。

 自分の読む山田詠美作品はだいたい男と女の関わりについて書かれた短編集という形式で、これも同じ形式であるが、山田作品を久しぶりに読むからかやはり安定した印象である。ただこの作品は男と女に限定しているわけではなく、母と息子、また男と男なんてものもある。

 あとがきにも述べられているが、各々の短編でそれぞれ一つずつ色がテーマになっており、それぞれその色のカラーページが挟まれている。例えば親友の彼女を寝取り、紫色の痣をつけ、それをその美しさを親友に伝える「高貴なしみ」では、紫色のカラーページがあり、またほくろを忌む女が主人公の「黒子の刻印」では黒のカラーページ、といった感じである。こういった試みは初めて見るもので、とても新鮮であった。


 「高貴なしみ」と言う短編が一番印象に残った。主人公と彼女の共犯を知らされた時の親友の表情が痛快である。こういう主人公は本当に羨ましい。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011年04月30日に読み終えた。

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