2009/11/18

僕のなかの壊れていない部分(白石一文)


【タイトル】僕のなかの壊れていない部分
【著者名】白石一文
【発行年月日(初版)】2005年3月20日文庫初版
【登場人物の年齢層】成人
【概略】見えるものばかり追いかけてばかりいたら、人はどんなことにでも絶望するしかなくなってしまう。過去のトラウマにより、驚異的な記憶力を持つ、非凡な青年。彼には、才色兼備のスタイリストの恋人と、子持ちのバーのママである愛人、SMプレイ相手の人妻という女性関係があり、さらに家庭教師の元生徒だった少女と、たまに泊まりに来る弟のような青年という疑似家族がある。愛について、生と死について、突き詰めて考えずにいられない彼の内面を通して、作者は「何が一番大切なのか」を問いかける。 デビュー作『一瞬の光』で注目を集め、村上春樹にも比較される異才の最高傑作。書き下ろし。
【感想】著者の他の作品を朝日新聞書評で読んだのがきっかけ。
 出版社勤務の主人公が自身の人間関係を通じて生死について考える物語・・・といったところか。正直このような形式の小説は読んだことがない。実質の物語の量と主人公による自問の量があまり変わらない。読んでいてときどき今自分は評論文を読んでいるのか、と思わせるほどの自問と物語のバランスである。
 このような哲学的で難易度の高い小説を一度通読しただけで感想を出すのはやや安直である。さらに、小説という形式をとっているのでどこを読めば主張の要旨がわかる、といったことがない。(あるかもしれないが今のところ分からない)そのためもう一度再読をする必要がある。
  ダ・ヴィンチ09年03月号において著者の白石一文は言いたいことを何とかして読ませたいから小説の形式をとっている、クスリに味をつけている感じ、と述べている。著者の主張を理解するにはやはり一回だけの通読では不可能なのでもう一度読もうと思う。
【ランク】6?
【読書中メモの総覧】▼物語を読んでいる感じがしない
【備考】2009年11月17日に読み終えた。再読必須。

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