2011/09/25

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹)★


【タイトル】砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
【著者名】桜庭一樹
【発行年月日(初版)】2004年11月15日
【登場人物の年齢層】中学3年
【概略】大人になんてなりたくなかった。傲慢で、自分勝手な理屈を振りかざして、くだらない言い訳を繰り返す。そして、見え透いた安い論理で子供を丸め込もうとする。でも、早く大人になりたかった。自分はあまりにも弱く、みじめで戦う手段を持たなかった。このままでは、この小さな町で息が詰まって死んでしまうと分かっていた。実弾が、欲しかった。どこにも、行く場所がなく、そしてどこかへ逃げたいと思っていた。そんな13歳の二人の少女が出会った。山田なぎさ―片田舎に暮らし、早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。海野藻屑―自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な転校生の女の子。二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。全ては生きるために、生き残っていくために―。これは、そんな二人の小さな小さな物語。渾身の青春暗黒ミステリー。

 扱っている内容は暗くシリアスなはずなのにそれほど強く感じさせない印象。妙に少女まんがチックのメルヘンなイラストも手伝ってそこまで読後に苦い印象は残らない。漫画版を以前どこかで読んでいてあらすじを大まかに知っているからだろうか、それとも耐性が付いたからか。

 読んだ後しばらくして、これは実はなかなかの名作ではないだろうかと思い始めたが、残念ながらそれからしばらく立って理由が思い出せない。主人公の優秀な成長物語としてだろうか。
【ランク】6.5+α
【読書中メモの総覧】
【備考】2011年09月下旬に読み終えた。再読を促す。

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