2011/09/13

日本の異端文学(川村湊)


【タイトル】日本の異端文学
【著者名】川村湊
【発行年月日(初版)】2001年12月19日
【登場人物の年齢層】
【概略】「異端文学とは何か」という問いは、では、日本に「正統的な文学」があるのかという問いにつながる。「異端文学」とは、文学それ自身(の有用性や社会的評価)を白眼視する文学である。文学なんてそれほどのものかよ、という罰あたりな言葉を呟く「文学」の中の異端児である。本書は一九六〇年代から七〇年代にかけての「異端文学」ブームを社会史的、文学史的に整理し、渋沢龍彦、中井英夫、山田風太郎、小栗虫太郎、橘外男、国枝史郎、三角寛、中里介山『大菩薩峠』、渡辺温、尾崎翠、石塚喜久三、団鬼六等を読み解く。
【感想】図書館にてたまたま。

 タイトルに惹かれて読み始めたものの、なかなかだるく、自分の興味のある項目か読み始めるが、それでもだるい始末。完全に新書に慣れていない。


 が、SM文学として宇能鴻一郎の『肉の壁』、団鬼六の『花と蛇』。姉弟、兄妹に着目した渡辺温、尾崎翠。人外の物語を描く橘外男、日影丈吉などおそらくこの新書を読まなかったら知らなかったであろう面々を知ることができて良かった。しかしこれらの作家たちは60~70年代とかなり古く、果たして各々の作品を読了することが出来るのか疑問であるが。


 この新書はあとがきでも述べられているが、文学史的、また時系列的な整序がなく、著者の好みで各々の作家が語られているので、系統的や順序立って読むには不向きである。しかし『異端文学』へ入る入口、きっかけとしていい書物だったのではないかと思う。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】
【備考】2011年09月12日に読み終えた。

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