2011/01/10

歌うクジラ上・下(村上龍)


【タイトル】歌うクジラ上・下
【著者名】村上龍
【発行年月日(初版)】2010年10月25日
【登場人物の年齢層】15~176
【概略】2022年のクリスマスイブ、ハワイの海底で、グレゴリオ聖歌を正確に繰り返し歌うザトウクジラが発見された…。そして100年後の日本、不老不死の遺伝子を巡り、ある少年の冒険の旅が始まる。/見知らぬ声に導かれるように、果てしない旅は続く。やがて青い地球を彼方に眺める宇宙空間に想像を絶する告白が。圧倒的な筆力と想像力。村上龍渾身の壮大な希望の物語。(「BOOK」データベースより)
【感想】図書館の新刊コーナーに置いてあったのがきっかけ。


 一読した限り、少年の壮大な冒険物語ととらえることもできるし、将来の日本の様子に警笛を鳴らしている作品ともとれる。一読しただけでも様々なとらえ方ができる、さすが村上作品と言わんばかりであると思った。また、他の作品に比べてメッセージがわかりやすい印象を受けた。おそらく今まで読んだ村上龍作品の中でも比較的読みやすい分類に入るのではないかと思う。例えば「共生虫」における掲示板のやりとりなど、読んでいて怠い文章がなかった。加えて、今まで文庫版のかなり狭い行間でしか村上龍作品を読まなかったので、このハードカバーは行間が比較的あったので非常に読みやすかった。この行間で読んだあと文庫版の狭さで読むのはかなり苦痛である。


 「エクスタシー」を書いた著者だけあって、主人公の性的な興奮描写がかなりぐっと来た。この辺りはさすがだと思う。読んでいて主人公の心情がダイレクトに伝わってきて、こっちまで興奮した。


 カバーデザインが洒落ている。透明なカバーを使って下が透けるようにしてあるのは他では見たことがない。ただ、図書館だとカバーが外れないように専用のテープで留めてあるので下地をカバーを外すことができない点が残念。まあ仕方がないのだが、これに限らず図書館のすべての本が同じ質感であることが購入した本に劣る点のひとつだと思う。
【ランク】7
【読書中メモの総覧】カバーデザインが洒落ている
文庫本の村上龍作品と違い行間があるので読みやすい
【備考】2011年01月04日に読み終えた。再読を促す。

0 件のコメント:

コメントを投稿