2010/03/13

寂しい写楽(宇江佐真理)

【タイトル】寂しい写楽
【著者名】宇江佐真理
【発行年月日(初版)】2009年07月01日
【登場人物の年齢層】中年?(江戸時代)
【概略】葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴など当代きっての戯作者の生き方を大きく変え、世界の芸術家を後世、興奮と熱狂の渦中に巻き込んだ幻の絵師の創作の夢と絶望 —。それをとりまく戯作者たちの見果てぬ情熱をふますところなく描き、江戸という時代の本質に迫った、時代小説の第一人者による長編小説の意欲作。ついに刊行。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の書評欄より。江戸時代の文化史を代表する人物たちと東州斎写楽にまつわる物語である。
 歴史物を読むのは久しぶりなのでいい気分転換にになった。また歴史物によくあると思うのだが意味が分からない語句が多くて辞書が手放せなかった。
 今までのイメージとして個々の人物は一人で全部やってのけてお互いのつながりはないというものがあったのだが、実際は仕事上深く関わり合っていたのがよく分かる。今では有名な写楽だが、当時はあまり売れず寂しい思いをしていたのが分かる。この本のリアリティーがどのくらいあるのかわからないが、当時の写楽絵に対する評判なども読めておもしろかった。また、東州斎写楽という人物が一年あまりで消えてしまった理由もうなずける。
 登場人物の中でも個人的には鉄蔵、山東京伝という人物が好きである。少し遊びふけってもきっちりと堕落はしないところが良かった。
 ひとつ読み終えて思ったのは登場人物の生い立ちに比重を置きすぎてる印象も受けたことだ。話の流れとして重要であるのだが、やや長過ぎて話を遮っているように感じるのである。しかし、それを引いてもじっくり腰を押しつかせて読める小説であった。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】用語が分からない
【備考】2010年03月11日読了。

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