2010/03/16

くまちゃん(角田光代)

【タイトル】くまちゃん
【著者名】角田光代
【発行年月日(初版)】2009年03月30日
【登場人物の年齢層】20〜30代
【概略】4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。 (「BOOK」データベースより)
【感想】おそらくダヴィンチより。登場人物が重なっている恋愛短編集である。
 最初の短編に登場した主人公を振った人物が次の短編の主人公となり振られるという連鎖を何回か繰り返す。最初読み始めた頃は面白いなと読めたものの、徐々に展開が読めるようになり辟易した。物語の結末を簡単に予想できてしまうような小説は自分はあまり面白いと感じないので、全体的に通しては面白いとは思わなかった。
 ただ、個々の短編だけを読むと面白いと思うので、体裁が違えばもう少し自分の中でのランクが上がったなと思う。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月15日読了。

2010/03/13

寂しい写楽(宇江佐真理)

【タイトル】寂しい写楽
【著者名】宇江佐真理
【発行年月日(初版)】2009年07月01日
【登場人物の年齢層】中年?(江戸時代)
【概略】葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴など当代きっての戯作者の生き方を大きく変え、世界の芸術家を後世、興奮と熱狂の渦中に巻き込んだ幻の絵師の創作の夢と絶望 —。それをとりまく戯作者たちの見果てぬ情熱をふますところなく描き、江戸という時代の本質に迫った、時代小説の第一人者による長編小説の意欲作。ついに刊行。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の書評欄より。江戸時代の文化史を代表する人物たちと東州斎写楽にまつわる物語である。
 歴史物を読むのは久しぶりなのでいい気分転換にになった。また歴史物によくあると思うのだが意味が分からない語句が多くて辞書が手放せなかった。
 今までのイメージとして個々の人物は一人で全部やってのけてお互いのつながりはないというものがあったのだが、実際は仕事上深く関わり合っていたのがよく分かる。今では有名な写楽だが、当時はあまり売れず寂しい思いをしていたのが分かる。この本のリアリティーがどのくらいあるのかわからないが、当時の写楽絵に対する評判なども読めておもしろかった。また、東州斎写楽という人物が一年あまりで消えてしまった理由もうなずける。
 登場人物の中でも個人的には鉄蔵、山東京伝という人物が好きである。少し遊びふけってもきっちりと堕落はしないところが良かった。
 ひとつ読み終えて思ったのは登場人物の生い立ちに比重を置きすぎてる印象も受けたことだ。話の流れとして重要であるのだが、やや長過ぎて話を遮っているように感じるのである。しかし、それを引いてもじっくり腰を押しつかせて読める小説であった。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】用語が分からない
【備考】2010年03月11日読了。

2010/03/09

レストレス・ヴァージンズ(A.ジョーンズ/T.マイリー、こいずみかおる訳)


【タイトル】レストレス・ヴァージンズ
【著者名】A.ジョーンズ/T.マイリー
【訳者名】こいずみかおる
【発行年月日(初版)】2009年07月17日
【登場人物の年齢層】高校生(シニア)
【概略】ケネディ家やルーズベルト家一族など超セレブたちを輩出したアメリカ屈指の名門校、ミルトン・アカデミー。このキャンパス内で起こったある事件が、全米を揺るがす一大スキャンダルに発展した。それは、1人の女子生徒に対し、5人の男子生徒が性的行為に及んだというものだった。同校の2人のOGが2年にわたる取材で得た、名家の子女たちによる驚愕の証言の数々。そこには、愛と欲望に支配された少年少女たちの、 奔放な学園生活があった。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の広告から興味を引かれて。
 名門校の性のスキャンダルを取り上げたものだが、まるでアメリカのドラマのような話が現実に起こっていると考えると凄いなと思う。しかし、もう少し過度なものが来るのかと思ったら案外予想の範囲内であり少しがっかりもした。ただノンフィクションにそのようなジャインを押し付けるのはお門違いだろう。
 パーティーやその他の出来事などがアメリカンでスケールの大きいものである。アメリカの学校の出来事なので当然と言えば当然なのだが。日本とはモノが違うなと感じた。

 今思えばノンフィクションの小説を読んだのはとても久しぶりであることに気付いた。よく読むフィクションの小説と同じように評価するのはどうなのだろうかとも思った。
【ランク】5(ノンフィクション)
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月08日に読み終えた。

2010/03/06

あの子の考えることは変(本谷有希子)

【タイトル】あの子の考えることは変
【著者名】本谷有希子
【発行年月日(初版)】2009年07月29日初版
【登場人物の年齢層】大学生越え
【概略】 “前代未聞のカタルシス。著者初の友情小説” 岸田&鶴屋南北賞受賞の気鋭が拓く小説の新境地。汚い日田とおっぱいだけが取り柄の巡谷、おかしな二人のヘンテコで切ない共同生活。(内容紹介)
【感想】「ダ・ヴィンチ」を読んで。個性的なキャラクターが物語を展開していく。
 個性的なキャラクターと本音が出まくりのスピード展開でどんどん読み進めていくことが出来た。しかしこの感想は3月6日に書いているのだが今となっては印象に残ったところがほとんど思い出せないレベルである。印象にあまり残っていないということはその程度の内容であったのかなと思われる。
【ランク】6 → 5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月01日に読み終えた。

2010/02/28

GOTH(乙一)


【タイトル】GOTH
【著者名】乙一
【発行年月日(初版)】2002年07月01日初版
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を見物に行くことを決めた…。触れれば切れるようなセンシティヴ・ミステリー。(「MARC」データベースより)
【感想】ジャケット、友人の勧めが読むきっかけ。猟奇的な殺人や行動を描いた短編小説集である。
 主人公がさまざまな殺人や死体を冷静に眺める姿やさまざまな猟奇的殺人者の心情が描かれた文章を読んでどんどん引き込まれていった。さらに淡々と猟奇的殺人を行う登場人物達を読んであらためて人の狂気は面白いなと思った。
 だが、最後の短編で今までの主人公とその短編に登場する「神山」という人物がこちゃまぜになり、あまりよくない余韻を抱いた。(Yahoo!知恵袋を読んで一応の辻褄を得たが)
 乙一はどうやらミステリー作家的な要素があるのを今回初めて知ったが、そのトリックは自分にとってはあまり必要の無いものだと思い、少々興ざめをしてしまった。そのミステリーを楽しめる人はいいが、純粋に物語(狂気)を面白く読んでいたのでどうなのかと思った。(ミステリーを解けなかった者の言い訳であるが・・)
【ランク】6
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年01月17日読了。

2010/02/12

チョコレート・アンダーグラウンド(アレックス・シアラー、金原瑞人訳


【タイトル】チョコレート・アンダーグラウンド
【著者名】アレックス・シアラー
【訳者名】金原瑞人
【発行年月日(初版)】2010年06月07日
【登場人物の年齢層】中学生辺り
【概略】選挙で勝利をおさめた“健全健康党”は、なんと“チョコレート禁止法”を発令した!国じゅうから甘いものが処分されていく…。そんなおかしな法律に戦いを挑むことにしたハントリーとスマッジャーは、チョコレートを密造し、“地下チョコバー”を始めることにした!チョコレートがこの世からなくなったら、あなたはどうしますか?禁チョコなんて、ダイエットのときしかしたことない!読めばきっと、チョコレートが食べたくなる…。(「BOOK」データベースより)
【感想】チョコレートを始めとする甘いものが禁止された国で政府に対して対抗する少年達を描いた物語である。漢字の表記や熟語の解説からおそらく小学校高学年向けの本である。(ただ劇場の物語の表現の引用は分からないが)物語に特にひねりはないが、チョコレートを求める少年達の心情はよく現れている。
 チョコレートバーという表現が少し引っかかった。単にチョコの方が分かりやすいなと思う。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年01月12日に読み終えた。

2010/02/11

ナインストーリーズ(J・D・サリンジャー、柴田元幸訳)


【タイトル】ナイン・ストーリーズ
【著者名】J・D・サリンジャー
【訳者名】柴田元幸
【発行年月日(初版)】2009年3月21日
【登場人物の年齢層】いろいろ
【概略】 1953年に出版されたサリンジャーの自選短篇集。「グラース家の物語」の発端となるシーモアが登場する「A Perfect Day for Bananafish」、WASP中心のアメリカ社会で助けあいながら生きていくユダヤ人親子を描いた「Down at the Dinghy」、男女の不倫を描いた「Pretty Mouth and Green my Eyes」など、9つの作品が収められている。中には、ドイツ製のルガー拳銃の性能を証明するために、ヒヨコの頭を撃ち抜いたヘミングウェイの残忍性を風刺して書かれたといわれている、次のような作品もある。(以下略、概略は野崎孝訳のもの)参考:アマゾン
【感想】J・D・サリンジャーによる短編集。
 タイトル通り九つの短編が収録されているが、どの短編もよく分からない、といった印象である。話としてきっちりと終わっているのもあれば終わっていないものもある。「バナナフィッシュ日和」や「コネチカットのアンクル・ウィギリー」はよくわからないし、「笑い男」や「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」など話として一応終わっているものもある。何か惹き付けられるものはあるのだがよく分からないというのが実際のところである。風刺的な感じもするがやはりよくわからない。

 個人的には「笑い男」という短編が攻殻機動隊SACにかなり関係してくるので興味深かった。この短編にでてくる笑い男はかなり不気味な存在である。
【ランク】6?
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年01月09日読了。