2011/06/19

Pen6/15号

   
Pen6/15号より。

初めて購入してみたが、正直面白い記事が少なかった印象である。しかしこの記事は面白い。こういった広告を記事として取り上げられると非常に興味深い。「広告批評」も一度読んでみたい。

2番目の広告が一番良い。こういう毅然とした馬鹿な感じは好きである。

3,4の広告はインパクトが強い。思うに日本の環境保護啓発を謳う広告はすべてありきたりな印象がするような気も。だからACの砂浜のCMのインパクトがすごい残っているのだ。

WIRED


今月創刊した「WIRED」という雑誌

テクノロジー系雑誌を読む機会はほとんどなく、すごい新鮮である。まだ半分も読めていないが、なかなか読めば面白そうな記事が並んでいる。ただ字が小さく、やや読みづらい。

この雑誌を買おうと思ったポイントは「触り心地」である。表面がプラスチック加工してあるのか、すべすべして気持ちいい。これは現物がないとなかなか残せないものである。

2011/06/17

凍りのくじら(辻村深月)


【タイトル】凍りのクジラ
【著者名】辻村深月
【発行年月日(初版)】2005年11月
【登場人物の年齢層】
【概略】藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。
【感想】朝日新聞の書評欄より。

 微妙。書評に惹かれて久しぶりに本を購入してみたが、そこまでする必要は無かった。ドラえもんの話と絡めるのは斬新だなあと思ったが。主人公の性格のクールさに惹かれて購入したが、微妙。展開が、微妙。特につまらない訳でもないが、また読みたいとも思わない、まさしく微妙である。結局別所とか言う青年はなんなんやねん。いくや?の変貌振りも甚だしい。特に共感も産まず、感動もなく、驚きもない。あるのは「やっと読み終わったか」という印象だけ。

 解説も冗長すぎて読む気起きない。

 Amazonのレビューを読んでていておもしろかったもを引用する。
自分の頭が良すぎて馬鹿な友達とでは同レベルの会話ができない‥と言ってしまう主人公の性格があまりにもイタすぎです。
仮に本当に頭が良いのならそれなりのエピソードがあっても良いと思うのだが、
話す内容はドラえもんの話ばかり、またルックスだけが取り柄の元彼氏を引きずっているのを理屈を付けて正当化しようとばかりしているただの女子高生。
そんな恥ずかしいほど中二病の主人公が自分の勘違いに気付き成長していく話か、もしくは読者がド肝を抜かれるオチが待っているのかと願って一応最後まで読みましたが、
主要登場人物がシリアス場面で「キミは頭が良過ぎて孤独なんだね‥」なんて本気で言ってしまっているからこの作者何がしたいのかわからない。
私が素直に感じたのは、主人公が中二病なのではなく小説自体が中二病だということです。
作家名と年齢からして中二病のニオイがしましたがやはり‥。残念です。
この著者の作品は初めてでしたが文章力もオチも普通。人には薦められませんが暇つぶし程度には読めます。
ドラえもんの道具の取り入れ方や、少しナントカと遊ぶ方法など、モチーフ自体は良いと思いますのであとは作者が中二病から抜け出すことに期待です。
ケータイ小説なんぞよりは俄然ましだったので星2つです。
高校生あたりには共感できたり、読みやすいのではないでしょうか。 By masu

 そこまで中二病と言うほどでもないが、読んでいて少し吹いた。「この著者の作品は初めてでしたが文章力もオチも普通。人には薦められませんが暇つぶし程度には読めます。」この部分は完全に同意。

 よくよく考えてみるとこの作品が紹介されていた朝日新聞の項目は「売れてる本」だったな。あんまりこの項目を参考にしすぎるのはやめよう。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011年06月17日に読み終えた。

私を離さないで(カズオ・イシグロ、土屋政雄訳)


【タイトル】私を離さないで
【著者名】カズオ・イシグロ
【訳者名】土屋政雄
【発行年月日(初版)】2005年4月
【登場人物の年齢層】子供〜大人
【概略】『日の名残り』『私たちが孤児だったころ』で高い評価を得た作家が送る、感動的な小説。心に残る友情と愛の物語の中で、世界と時間を巧みに再創造してみせる。
 現在31歳のキャシーは、イギリスの美しい田園地方ヘールシャムの私立学校で、子ども時代を過ごした。そこでは子どもたちは外界から保護され、自分たちは特別な子どもで、自分たちの幸せは自身だけでなく、やがて一員となる社会にも、非常に重要だと教えられていた。キャシーはこの牧歌的な過去とはずいぶん昔に決別したが、ヘールシャム時代の友人二人と再会して、記憶に身をまかせることにする。
 ルースとの交友が再燃し、思春期にトミーに熱を上げた思いが恋へと深まりはじめる中、キャシーはヘールシャムでの年月を思い返す。外界から隔絶された穏やかさと心地よさの中、少年少女がともに成長する幸せな場面を、彼女は描写する。だが、描写はそんな場面だけではない。ヘールシャルムの少年少女育成のうわべに隠れた、暗い秘密を示唆する不調和や誤解。過去を振り返ってはじめて、3人は自分たちの子ども時代と現在の生き方の真実が見え、それに対峙せざるを得なくなる。
 『Never Let Me Go』は単純に見える物語だが、そこに徐々にあらわにされていくのは、驚くべき深さで共鳴する感情だ。カズオ・イシグロの最高作にあげられるだろう。
【感想】「日の名残り」から派生して。

 正直「日の名残り」の方が良かった。話が進むに連れて非現実的な世界が展開されていることが分かるが、そのことが意識の中にありすぎたせいだろうか、なかなか話に乗ることが出来なかった。全体的に冗長で、どの展開でもかすかな退屈しかない。「日の名残り」では丁寧な文体がいい感じにマッチしたのだが、この作品はあまり肌に合わないようだ。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011年06月14日に読み終えた。

2011/06/05

ダリ シュルレアリスムを越えて(ジャン=ルイ・ガイユマン、伊藤俊治監修、遠藤ゆかり訳)

 独自の表現方法を用いて、悪夢のような非現実的世界を描きだした画家、サルバドール・ダリ。20世紀美術界最大の奇才の芸術と生涯を、貴重な写真や多数の作品とともに辿ります。(「MARCデータベース」より)


 難易度高すぎワロタ。語句が意味わからん。一通して読む気すら起きない、というか読めない。おもしろくない。なんでこんなに専門的な語句を使ってるの?って感じである。もっと優しくしてくれよ。

 シュールレアリスムやダリに興味があって手に取ってみたがハードルが高すぎたようだ。

2011/06/03

日の名残り(カズオ・イシグロ、土屋政雄訳)★


【タイトル】日の名残り
【著者名】カズオ・イシグロ
【訳者名】土屋政雄
【発行年月日(初版)】1990年07月07日
【登場人物の年齢層】老人
【概略】品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。(「BOOKデータベース」より)
【感想】村上春樹「雑文集」より。カズオ・イシグロは雑文集で取り上げられて非常に興味が湧き、またニューズウィークの「世界が尊敬する日本人25」に選ばれていることもあり、図書館にあったので手に取ってみた。(カズオ・イシグロは英国籍をとっており、また5歳で英国に移ったので果たして日本人なのかという疑問は少しある

 帯に「ノスタルジーと諦観が美しい田園風景に溶けこみ、静かな感動を呼びおこす」と紹介されているが、まさしくその通りである。最初は「こうした淡々とした展開がつづくのかな」と思ったが、だんだんこのなかにも郷愁、しみじみとした趣が滲み出ている。こうした絵に描いたような英国執事などいるのかと疑ってしまうが、光景を想像(妄想)するだけでもほのぼのと楽しい。この回想する主人公も完璧ではなく、どこか鈍感な感じがいい。

 名前に引きずられている感があるかもしれないが、訳された文章にはほとんど違和感がない、日本語で文章を書いているのか?と思わせるほどである。翻訳文章にありがちな雰囲気がほぼないといって良い。

 
【ランク】7
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2011年06月03日に読み終えた。

2011/06/02

GOTH 漫画版(乙一、大岩ケンヂ)

   
 GOTH漫画版。古本屋で見かけて、立ち読みしたらつい読破してしまった。

 小説版は以前に読んだことがあるが、やはりそのときも思ったと思うがこの作品は面白い、そして最後のミステリーで混乱する。小説のときの自分と全く変わっていなかった。最後の部分は明らかに小説と違っているが、残念ながら他の差異は見つけられなかった。一人称くらいかなあ。小説板に走らない話があると述べられているが、そうだったっけ?

 裏表紙が美しい。画像だと正直美しさが伝わらないが。ふとカバーをめくってこの絵を見つけたときの驚きは表しがたいものだ。

 やはりというべきか、漫画は小説とは違ったインパクトを与える。どちらが良いというわけではない。小説には具体的なイメージが与えられず、想像力に依存するからこその怖さがあり、漫画は視覚的な怖さがある。残念ながら小説板の感想が適当すぎて当時の感想を完全に思い出すことができないが、おそらく違うだろう。切り刻まれた猟奇的な死体が実際に絵になるのは、怖さはないけれど何となくすごい。あまり関係ないが「土」の短編での中表紙である森野の縛られたSMチックな絵はかなり印象に残った。眺めていて悪くない。

 あとがきで乙一は「……ところでこの作品のコンセプトは、『毎回、登場するいろんな妖怪がヒロインを襲い、それを主人公がひそかに救出する』というまったく単純なものだった。……僕は異常者の内面を書きたいなどとは思わなかったし、異常な殺人を書きたいという気持ちもなかった。僕の念頭にあったのは、ともかく読者をおもしろがらせようという気持ちだけだった。……」と述べている。……マジですか。正直乙一はこういう作品ばっか書く人だと思っていた。この一冊だけしか読んでいないので完全にこれのイメージに捕らわれてしまっているが、もし書いてあることが字面の通りだったらなんか少し残念である。特に積極的にミステリーを読もうという気持ちもわかないので、しばらく乙一作品に触れる機会もなくなってしまうだろう。

 ウィキペディアで調べてみると小説には「犬」という短編があったそうだ。まったく記憶にないが、確かによく考えてみたら漫画版は短編の数が少ないように思える。読み返したくなってきたな。