2010/03/29
風の中のマリア(百田尚樹)
【タイトル】風の中のマリア
【著者名】百田尚樹
【発行年月日(初版)】2009年3月13日
【登場人物の年齢層】- (オオスズメバチ)
【概略】「女だけの帝国」が誇る最強のハンター。その名はマリア。彼女の身体はそのすべてが戦いのために作られた。堅固な鎧をまとい、疾風のように飛ぶ。無尽蔵のスタミナを誇り、鋭い牙であらゆる虫を噛み砕く。恋もせず、母となる喜びにも背を向け、妹たちのためにひたすら狩りを続ける自然界最強のハタラキバチ。切ないまでに短く激しい命が尽きるとき、マリアはなにを見るのか。(「BOOK」データベースより)
【感想】おそらくダヴィンチより。雌のオオスズメバチを主人公として厳しい自然の世界を描いている。
とてもひさしぶりに人間以外の主人公の小説を読んだこともあって、読み始めてその日のうちに読み終えることができた。巻末の資料を参考にして執筆しているのでかなりのリアリティがあると思う。物語のおもしろさに加えてオオスズメバチをはじめとする生態系のシステムを知ることもできる。オオスズメバチをはじめとするハチの生態系は本にも書いてある通り他の生物と異なり、雌でも生まれたときから自らが子孫を残すかワーカーとして働くのかが決まる。その特徴的な生態系を物語として読めるのは私はいいなと思った。
個人的には生まれてくる時期が早く、子孫を残すことができずに死んでいくヴェーヴァルトがかわいそうだなと思った。
以前GIGAZINEにおいてスズメバチがヨーロッパのミツバチを倒すムービーが紹介されていたのを思い出したが、まさしく小説中において優秀なワーカーがスズメバチに熱殺される場面と同じである。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/03/24に読み終えた。
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