2010/03/29
無銭優雅(山田詠美)☆
【タイトル】無銭優雅
【著者名】山田詠美
【発行年月日(初版)】2007年01月31日
【登場人物の年齢層】40代
【概略】大人になりそこねた男と女は、名作に導かれて、世にも真摯な三文小説を織り上げる。いつか死ぬのは知っていた。けれど、死ぬまでは生きているのだ。ささやかな日々の積み重ねが、こすり合わされて灯をともし、その人の生涯を照らす。そして、照り返しで死を確認した時、満ち足りた気持で、生に飽きることが出来る。 私は、死を思いながら、死ぬまで、生きて行く。今わの際に、御馳走さま、とひと言、呟くために——。(著者からの内容紹介)
【感想】おそらくダヴィンチより。 今まで私が読んだ山田詠美の作品よりも登場人物の年齢層が高い。
読者を思いきり引き込むというよりは落ち着いて読める感じである。言葉にして感想に表すのは難しいが、しっとり穏やかな感じである。
【ランク】7
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月23日に読み終えた。再読を促す。
風の中のマリア(百田尚樹)
【タイトル】風の中のマリア
【著者名】百田尚樹
【発行年月日(初版)】2009年3月13日
【登場人物の年齢層】- (オオスズメバチ)
【概略】「女だけの帝国」が誇る最強のハンター。その名はマリア。彼女の身体はそのすべてが戦いのために作られた。堅固な鎧をまとい、疾風のように飛ぶ。無尽蔵のスタミナを誇り、鋭い牙であらゆる虫を噛み砕く。恋もせず、母となる喜びにも背を向け、妹たちのためにひたすら狩りを続ける自然界最強のハタラキバチ。切ないまでに短く激しい命が尽きるとき、マリアはなにを見るのか。(「BOOK」データベースより)
【感想】おそらくダヴィンチより。雌のオオスズメバチを主人公として厳しい自然の世界を描いている。
とてもひさしぶりに人間以外の主人公の小説を読んだこともあって、読み始めてその日のうちに読み終えることができた。巻末の資料を参考にして執筆しているのでかなりのリアリティがあると思う。物語のおもしろさに加えてオオスズメバチをはじめとする生態系のシステムを知ることもできる。オオスズメバチをはじめとするハチの生態系は本にも書いてある通り他の生物と異なり、雌でも生まれたときから自らが子孫を残すかワーカーとして働くのかが決まる。その特徴的な生態系を物語として読めるのは私はいいなと思った。
個人的には生まれてくる時期が早く、子孫を残すことができずに死んでいくヴェーヴァルトがかわいそうだなと思った。
以前GIGAZINEにおいてスズメバチがヨーロッパのミツバチを倒すムービーが紹介されていたのを思い出したが、まさしく小説中において優秀なワーカーがスズメバチに熱殺される場面と同じである。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010/03/24に読み終えた。
2010/03/21
鬼の跫音(道尾秀介)
【タイトル】鬼の跫音
【著者名】道尾秀介
【発行年月日(初版)】2009年01月31日
【登場人物の年齢層】全般
【概略】 心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる。—もう絶対に逃げ切れないところまで。一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。ミステリと文芸の壁を軽々と越えた期待の俊英・道尾秀介、初の短篇集にして最高傑作。(「BOOK」データベースより)
【感想】ダヴィンチより。「向日葵の咲かない夏」の作者であるので、期待と共にこの短編集を読んだ。
短編だからという理由もあると思うが、正直物足りなかった。「向日葵の咲かない夏」に比べると明らかにインパクトに欠けるし、この作者に特徴的な大どんでん返しと言うべきモノもあまり感じなかった。今回の短編は最後にひっくり返されても「はい、そうですか」程度のモノであった。紹介文の最高傑作という単語が輝いて見える。
ダヴィンチにおいてこの作品は短時間で書き上げたというような記述があったと思うが、もう少し捻りをいれてほしかった。
【ランク】6
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月18日に読み終えた。
2010/03/16
くまちゃん(角田光代)
【タイトル】くまちゃん
【著者名】角田光代
【発行年月日(初版)】2009年03月30日
【登場人物の年齢層】20〜30代
【概略】4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。 (「BOOK」データベースより)
【感想】おそらくダヴィンチより。登場人物が重なっている恋愛短編集である。
最初の短編に登場した主人公を振った人物が次の短編の主人公となり振られるという連鎖を何回か繰り返す。最初読み始めた頃は面白いなと読めたものの、徐々に展開が読めるようになり辟易した。物語の結末を簡単に予想できてしまうような小説は自分はあまり面白いと感じないので、全体的に通しては面白いとは思わなかった。
ただ、個々の短編だけを読むと面白いと思うので、体裁が違えばもう少し自分の中でのランクが上がったなと思う。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月15日読了。
【著者名】角田光代
【発行年月日(初版)】2009年03月30日
【登場人物の年齢層】20〜30代
【概略】4回ふられても私はまた、恋をした。なんてことだろう。あんなにつらい思いをしたというのに。きっとここにあなたがいる、傑作恋愛小説。 (「BOOK」データベースより)
【感想】おそらくダヴィンチより。登場人物が重なっている恋愛短編集である。
最初の短編に登場した主人公を振った人物が次の短編の主人公となり振られるという連鎖を何回か繰り返す。最初読み始めた頃は面白いなと読めたものの、徐々に展開が読めるようになり辟易した。物語の結末を簡単に予想できてしまうような小説は自分はあまり面白いと感じないので、全体的に通しては面白いとは思わなかった。
ただ、個々の短編だけを読むと面白いと思うので、体裁が違えばもう少し自分の中でのランクが上がったなと思う。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月15日読了。
2010/03/13
寂しい写楽(宇江佐真理)
【タイトル】寂しい写楽
【著者名】宇江佐真理
【発行年月日(初版)】2009年07月01日
【登場人物の年齢層】中年?(江戸時代)
【概略】葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴など当代きっての戯作者の生き方を大きく変え、世界の芸術家を後世、興奮と熱狂の渦中に巻き込んだ幻の絵師の創作の夢と絶望 —。それをとりまく戯作者たちの見果てぬ情熱をふますところなく描き、江戸という時代の本質に迫った、時代小説の第一人者による長編小説の意欲作。ついに刊行。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の書評欄より。江戸時代の文化史を代表する人物たちと東州斎写楽にまつわる物語である。
歴史物を読むのは久しぶりなのでいい気分転換にになった。また歴史物によくあると思うのだが意味が分からない語句が多くて辞書が手放せなかった。
今までのイメージとして個々の人物は一人で全部やってのけてお互いのつながりはないというものがあったのだが、実際は仕事上深く関わり合っていたのがよく分かる。今では有名な写楽だが、当時はあまり売れず寂しい思いをしていたのが分かる。この本のリアリティーがどのくらいあるのかわからないが、当時の写楽絵に対する評判なども読めておもしろかった。また、東州斎写楽という人物が一年あまりで消えてしまった理由もうなずける。
登場人物の中でも個人的には鉄蔵、山東京伝という人物が好きである。少し遊びふけってもきっちりと堕落はしないところが良かった。
ひとつ読み終えて思ったのは登場人物の生い立ちに比重を置きすぎてる印象も受けたことだ。話の流れとして重要であるのだが、やや長過ぎて話を遮っているように感じるのである。しかし、それを引いてもじっくり腰を押しつかせて読める小説であった。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】用語が分からない
【備考】2010年03月11日読了。
【著者名】宇江佐真理
【発行年月日(初版)】2009年07月01日
【登場人物の年齢層】中年?(江戸時代)
【概略】葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴など当代きっての戯作者の生き方を大きく変え、世界の芸術家を後世、興奮と熱狂の渦中に巻き込んだ幻の絵師の創作の夢と絶望 —。それをとりまく戯作者たちの見果てぬ情熱をふますところなく描き、江戸という時代の本質に迫った、時代小説の第一人者による長編小説の意欲作。ついに刊行。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の書評欄より。江戸時代の文化史を代表する人物たちと東州斎写楽にまつわる物語である。
歴史物を読むのは久しぶりなのでいい気分転換にになった。また歴史物によくあると思うのだが意味が分からない語句が多くて辞書が手放せなかった。
今までのイメージとして個々の人物は一人で全部やってのけてお互いのつながりはないというものがあったのだが、実際は仕事上深く関わり合っていたのがよく分かる。今では有名な写楽だが、当時はあまり売れず寂しい思いをしていたのが分かる。この本のリアリティーがどのくらいあるのかわからないが、当時の写楽絵に対する評判なども読めておもしろかった。また、東州斎写楽という人物が一年あまりで消えてしまった理由もうなずける。
登場人物の中でも個人的には鉄蔵、山東京伝という人物が好きである。少し遊びふけってもきっちりと堕落はしないところが良かった。
ひとつ読み終えて思ったのは登場人物の生い立ちに比重を置きすぎてる印象も受けたことだ。話の流れとして重要であるのだが、やや長過ぎて話を遮っているように感じるのである。しかし、それを引いてもじっくり腰を押しつかせて読める小説であった。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】用語が分からない
【備考】2010年03月11日読了。
2010/03/09
レストレス・ヴァージンズ(A.ジョーンズ/T.マイリー、こいずみかおる訳)
【タイトル】レストレス・ヴァージンズ
【著者名】A.ジョーンズ/T.マイリー
【訳者名】こいずみかおる
【発行年月日(初版)】2009年07月17日
【登場人物の年齢層】高校生(シニア)
【概略】ケネディ家やルーズベルト家一族など超セレブたちを輩出したアメリカ屈指の名門校、ミルトン・アカデミー。このキャンパス内で起こったある事件が、全米を揺るがす一大スキャンダルに発展した。それは、1人の女子生徒に対し、5人の男子生徒が性的行為に及んだというものだった。同校の2人のOGが2年にわたる取材で得た、名家の子女たちによる驚愕の証言の数々。そこには、愛と欲望に支配された少年少女たちの、 奔放な学園生活があった。(「BOOK」データベースより)
【感想】朝日新聞の広告から興味を引かれて。
名門校の性のスキャンダルを取り上げたものだが、まるでアメリカのドラマのような話が現実に起こっていると考えると凄いなと思う。しかし、もう少し過度なものが来るのかと思ったら案外予想の範囲内であり少しがっかりもした。ただノンフィクションにそのようなジャインを押し付けるのはお門違いだろう。
パーティーやその他の出来事などがアメリカンでスケールの大きいものである。アメリカの学校の出来事なので当然と言えば当然なのだが。日本とはモノが違うなと感じた。
今思えばノンフィクションの小説を読んだのはとても久しぶりであることに気付いた。よく読むフィクションの小説と同じように評価するのはどうなのだろうかとも思った。
【ランク】5(ノンフィクション)
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月08日に読み終えた。
2010/03/06
あの子の考えることは変(本谷有希子)
【タイトル】あの子の考えることは変
【著者名】本谷有希子
【発行年月日(初版)】2009年07月29日初版
【登場人物の年齢層】大学生越え
【概略】 “前代未聞のカタルシス。著者初の友情小説” 岸田&鶴屋南北賞受賞の気鋭が拓く小説の新境地。汚い日田とおっぱいだけが取り柄の巡谷、おかしな二人のヘンテコで切ない共同生活。(内容紹介)
【感想】「ダ・ヴィンチ」を読んで。個性的なキャラクターが物語を展開していく。
個性的なキャラクターと本音が出まくりのスピード展開でどんどん読み進めていくことが出来た。しかしこの感想は3月6日に書いているのだが今となっては印象に残ったところがほとんど思い出せないレベルである。印象にあまり残っていないということはその程度の内容であったのかなと思われる。
【ランク】6 → 5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月01日に読み終えた。
【著者名】本谷有希子
【発行年月日(初版)】2009年07月29日初版
【登場人物の年齢層】大学生越え
【概略】 “前代未聞のカタルシス。著者初の友情小説” 岸田&鶴屋南北賞受賞の気鋭が拓く小説の新境地。汚い日田とおっぱいだけが取り柄の巡谷、おかしな二人のヘンテコで切ない共同生活。(内容紹介)
【感想】「ダ・ヴィンチ」を読んで。個性的なキャラクターが物語を展開していく。
個性的なキャラクターと本音が出まくりのスピード展開でどんどん読み進めていくことが出来た。しかしこの感想は3月6日に書いているのだが今となっては印象に残ったところがほとんど思い出せないレベルである。印象にあまり残っていないということはその程度の内容であったのかなと思われる。
【ランク】6 → 5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年03月01日に読み終えた。
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