2009/09/06
スカイ・イクリプス Sky Eclipse (森博嗣)
【タイトル】スカイ・イクリプス Sky Eclipse
【著者名】森博嗣
【発行年月日(初版)】2009年2月文庫版
【登場人物の年齢層】-
【概略】空で、地上で、海で。「彼ら」は「スカイ・クロラ」の世界で生き続ける。憧れ、望み、求め、諦めながら—。さまざまな登場人物によって織りなされる八つの物語は、この世界に満ちた謎を解く鍵となる。永遠の子供、クサナギ・スイトを巡る大人気シリーズ、最初で最後の短編集。(「BOOK」データベースより)
【感想】「スカイ・クロラ」シリーズ第六巻。この作品が最終巻となる。この作品は8つの短編集となっており、時系列でいってもバラバラである。さらにこのシリーズで登場した様々なキャラクターの視点に基づいて描かれている。
私は特にティーチャの視点から描かれた「Nine Lives」が気に入った。文中でティーチャとは明言されていないが、ほぼティーチャであると推測できる。地上のしがらみを抜け出し空へ飛ぶ場面はなんというか清々しく羨ましい。
この飛んでいるときの描写や心情描写として用いられる文体、即ち短い文章もしくは単語の連続体は、最初の頃は違和感を感じたものの、今では心地よいビートのように馴染んでいる。これは好き嫌いが別れると思うが、おそらく「スカイ・クロラ」シリーズが好きである人であればこの文体も好きである場合が多いと思う。
また、最後の短編である「Ash on the Sky」これはキルドレではなくなったクサナギがフーコに会いに行くという場面である。時系列でいうとシリーズのいちばん最後に当たる短編であるが、文中にバス停でフーコとクサナギが別れたと言っている。こうなるといよいよ「クレィドゥ・ザ・スカイ」の「僕」がクサナギである可能性が高くなる。
ネット上の考察を見てみると、さまざまな考察がなされている。よく見かけるのは誰々は誰々の生まれ変わりである、といった考察だ。正直言って飛躍しているような気がするが、しかしそうでもしないと説明がつかないのである。一人称の視点が誰なのか、というミステリーは初めてである。(そもそもミステリー小説をあまり読まないのだが)
そのようなミステリーはとりあえず置いといて、この作品はシリーズの話を補足する意味でも重要度が高いと思う。
総評で総合的な考察をしたいと思う。
【ランク】-
【読書中メモの総覧】-
【備考】2009年9月2日に読み終えた。
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