2009/09/02
クレイドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky(森博嗣)
【タイトル】クレイドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky
【著者名】森博嗣
【発行年月日(初版)】2008年4月15日初版
【登場人物の年齢層】-
【概略】今だけがあって、それだけを考えていられたら良いのに。未来だって、せいぜい明日か明後日くらいしかなければ良いのに—「僕」は病院を抜け出し「彼女」の車で地上を逃げる。二度と空には、戦闘機には戻れないと予感しながら。永遠の時を生きる子供たちを描く、現代の寓話「スカイ・クロラ」シリーズ。
【感想】「スカイ・クロラ」シリーズ第五作目。時系列で言うとこの作品の次が「スカイ・クロラ」となる。
本作の僕が久しぶりに乗り慣れた戦闘機である散香を見たときや乗ったときの喜びぶりが印象的だった。
この作品は最後のエピローグで大きな謎が生じた。本作の「僕」が誰を指しているのか分からなくなってしまった。最初に病院にいたり、フーコと共に病院を抜け出したりするなどから前作「フラッタ・リンツ・ライフ」と同じクリタジンロウだと思っていたのだが、最後に記者の杣中にカンナミと呼ばれているのだ。また、この「カンナミ」は杣中にクサナギに似ていて、さらにクサナギスイト本人は記者曰くクサナギとは別人であると言っている。
他にもこの記者は戦闘機四機を撃墜したのはクサナギスイトだと言ってまでもいる。もし事実であるならば病院から逃亡した本作の僕はクサナギスイトになってしまう。流石にそれは文中にクサナギスイトに銃で射殺される幻覚を見る描写があるため可能性としては低いと思うが、しかし、科学者の相良は「あなたは、キルドレに戻った。」と僕に対して言っているのだ。(おそらく)前作でクサナギスイトはキルドレではなくなっていることが分かっているため、この事を考えると、クサナギスイトが本作の僕の可能性は否定できない。訳が分からない。
この謎はネット上でも話題になっていて、至るところで考察がされているのが見て受け取れた。まだ「スカイ・イクリプス」を読んでいないのでネット上の考察を精読するのは避けるが、「スカイ・イクリプス」を読んでもなお分からないのであれば精読してみるか。
それにしても作者の森博嗣はミステリー作家だったのか。全く知らなかった。シリーズ最終刊の「スカイ・イクリプス」に期待。
【ランク】-
【読書中メモの総覧】-
【備考】2009年8月28日に読み終えた。
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