2009/03/24
オートフィクション(金原ひとみ)
【タイトル】オートフィクション
【著者名】金原ひとみ
【発行年(初版)】2006年7月10日
【登場人物の年齢層】高校生〜20代(女性)
【概略】主人公である作家のリンによるオートフィクション=自伝的小説として15歳、16歳と短編として22歳を描く(by me)/私は何故こんなにも面倒な人間なのだろう-。オートフィクション(自伝風小説)を書き始める作家。それは彼女が殺した過去の記録であり、過去に殺された彼女の記録でもあった…。(「MARC」データベースより)
【感想】ギャルであるリンの15歳、16歳と結婚してからの22歳が描かれているが、現実的に見たらビッチ&スイーツ(笑)である。心情描写がドロドロしているというかギャルとスイーツ(笑)をよく表されているのかもしれないが、読んでいる読者側としては「主人公うぜえ」的な感情が芽生えたのは否めない。まあこの人種を詳しく知るのであれば良書かもしれないが。
まあ「蛇にピアス」の映画の予告編を見た限り金原ひとみという著者のスタイルはある程度予想できていたのでこういう小説だろうなとはある程度予想はしていたのだが。
wikipediaを見てみるとオートフィクションというのは文学ジャンルの一つらしく、「一言でいえば、作者の人生についての現実の物語と、作者が経験した出来事について探求する虚構の物語とが交配したものである。」と書かれている。
【ランク】5.5
【読書中メモの総覧】▼夫に対する過剰な気持ち←一年後薄まる?▼飛行機→主人公の短編▼オートフィクション→自伝的創作▼P16、サナトリウム、ミキシング、蠢く、蛆
【備考】2009年3月24日に読み終えた。
2009/03/21
包帯クラブ(天童荒太)
【タイトル】包帯クラブ
【著者名】天童荒太
【発行年(初版)】2006年2月10日
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】自分の見えない傷を包帯によって介抱?する「包帯クラブ」のワラ、タンシオ、ギモ、ディノ、リスキ、テンポの物語/傷ついた少年少女たちは、戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守ることにした…。いまの社会を生きがたいと感じている若い人たちに語りかける長編小説。(「BOOK」データベースより)
【感想】最初から本と全く関係の話なんだがちくまプリマー新書って小説出すんですね。図書館で見つけたときちょっと驚いてしまった。この本は自分たちが受けた傷を包帯を巻くことで治癒?しようということだが、まあ現実で実戦は無理だが、「戦わない」ということで見つめ、乗り越えていこうとするところがなんだか惹き付けられた。個人的にはリスキ(芦沢律希)がなんだか気に入った。まあ実際見ると幻滅するだろうが。
概略を引っ張るためアマゾンを見ると映画化漫画化されていて驚いた。さらにどこかでこの著者を見た事あるなと思ったら「悼む人」で直木賞を受賞されている人でさらに驚いた。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】▼ちくまプリマー新書って小説出すんですね▼薬缶-やかん▼この内容なら新書でもおかしくない▼始まり方が「キャッチャー・イン・ザ・ライ」と似ている?▼実戦するのはちょっと・・・▼冷やかし系無し?←本質とずれてる▼高ピー、短く刈り上げ?、鬼栖村、久遠市、パンプス、農業ビジネス
【備考】2009年3月21日に読み終えた。
2009/03/19
キャッチャー・イン・ザ・ライ(J.D.サリンジャー/村上春樹訳)☆
【タイトル】The catcher in the Rye キャッチャー・イン・ザ・ライ
【著者名】J.D.サリンジャー
【訳者名】村上春樹
【発行年(初版)】2006年3月31日(ペーパーバック・エディション)
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】学校を追い出される事になった主人公ホールデン・コールフィールドの放浪記?(by me)/「古典は口に苦い」。先輩や親や教師からどんなに薦められても、文章は読みづらいし、物語も当然のことながら今から見れば古くさい。そんなわけで、つい、最近出たミステリーや恋愛小説に走ってしまう。
でも、ここに、50年も前に出たのに、読みにくいどころか実に生き生きとした快調なテンポで語られ、洒落ていて、ユーモアもたっぷり、しかも今の我々につよく訴えかけてくる、大げさに言えば読んだ人間の一生の友になるような本がある。これまで『ライ麦畑でつかまえて』(野崎孝訳)というタイトルで長いあいだに日本でも二百万人に近い読者に愛されてきたアメリカの青春小説だ。
主人公のホールデンは有名高校の生徒で、作文だけは誰にも負けないが、あとの学科はからきしダメな16歳の少年。彼は自分の学校~~の先生たちや同級生や何もかもにうんざりしている。物語は彼が成績不良で退学になる直前の冬、自分から学校をおん出るところから始まる。ニューヨークの街をさまよいながら彼は昔の先生や友人やガールフレンドに再会していくが……
さて21世紀に入って、この『ライ麦畑でつかまえて』が、作家村上春樹による新訳で新しい命を吹き込まれた。タイトルも原題どおり『キャッチャー・イン・ザ・ライ』。原作の圧倒的な魅力は以前と変わりはないが、この本を愛してやまない村上春樹の斬新な翻訳は新たな読者を生み出している。今回のペーパーバック版刊行を機会に、より多くの若者にこの素晴らしい「古典」の魅力を知ってほしい。(出版社からのコメント)
* * *
【感想】この本を読むきっかけから。好きなアニメの一つである「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」にこの本が出てきたからだ。ジュンク堂で衝動買いしたこの本はアニメに出てきた「ライ麦畑でつかまえて」野崎孝訳のものとは違うが、新しいほうが読みやすいかな、という憶測によりこの本を読む事にした。
感想、、、というものホールデンの一人称による語りかけによって構成されるこの本は、なんというか大人に対するこの年ごろの見方が顕著に表れていると思う。この本が1951年に発表されたものだとは到底思えないぐらい現代の高校生ぐらいの思想というのかなんというかそういうものをよく表されていると思う。
この本は実は結構な回数読破に挑んだが、今回初めて読破できたのだ。前まではホールデンが学校を飛び出す直前で飽きたり、文体に疲れて読むのを放棄してしまったのだ。今考えると、この本のメインに行く前にやめてしまったんだなと思う。
攻殻機動隊SACの話に戻るが、笑い男のマークに書かれてある文章「I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes」(僕は耳と目を閉じ口をつぐんだ人間になろうと考えた)はこの本を一回読んだ限りでは見当たらなかったと思う。アニメのでてくる本と訳者が違うので違う邦訳になっているのかもしれない。
また、この本の中にヴィルヘルム・シュテーケルという精神分析学者の言葉「未成熟のものなるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。その一方で、成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きる事を求めることだ」という文章が登場している。この言葉も攻殻機動隊SACに登場していたことを思い出した。少佐が言っていたと思う。
脇道から戻すと、この本は世の中の矛盾というか憤りをホールデンが感じたままに表されていると思う。またホールデンぐらいの精神も。「ロリータ」と同じくこの本を一回読んだ限りで理解するのは不可能だと思う。よって再読必須である。さすが名作というか有名な古典だけの事はあるな。
【ランク】7.5+α
【備考】2009年3月19日に読み終えた。再読必須。
2009/03/14
君が主で執事は俺で 美鳩編(布施はるか)
【タイトル】君が主で執事が俺で 美鳩編
【著者名】布施はるか
【発行年(初版)】2008年5月10日
【登場人物の年齢層】高校生〜大人
【概略】家出した姉弟を執事として雇い、その様子を描いた物語。原作はパソコンゲームで、この小説はゲームのメディアミックス。姉の美鳩編。
【感想】遂に「君が主で執事は俺で」小説全クリア。最後に美鳩編だった訳だが、他のと比較して親子にやや焦点が当たっている。まあ南斗星編には色々とかなわないかな。未有編だけ感想を書いていないのは感想を書き始めた前に読んだからである。多分このシリーズの感想は大人あたりに読み返すと面白いだろうな。
【ランク】5.5
【備考】2009年3月14日に読み終えた。
2009/03/13
世界の中心で、愛をさけぶ(片山恭一)
【タイトル】世界の中心で、愛をさけぶ
【著者名】片山恭一
【発行年(初版)】2001年4月20日第一刷発行
【登場人物の年齢層】高校生
【概略】主人公朔太郎が白血病で亡くなったアキの思い出を情緒的に回想する物語。(by me)/十数年前。高校時代。恋人の死。「喪失感」から始まる魂の彷徨の物語。落ち葉の匂いのするファーストキスではじまり、死を予感させる無菌状態の中でのキスで終わる。 (「BOOK」データベースより)
【感想】ちょっと前に風靡したいわゆる「セカチュー」である。たまたまブックオフで見つけ、まだ本も映画も一回も見た事がなく読んでみた。内容は愛している彼女を病気で亡くす純愛系で、話の展開としてはそれほど目立ったものはなかったが、亡くしたときの主人公の心情描写や、それからの心情描写が抽象的によく表されているな、と思った。ただ何となく「セカチュー」=「映画を見た人は涙を泣く」みたいなことはちょっとこの本を読んだだけでは分からかった。もしかしたらまだまだ読みが足りないのかもしれないが。
【ランク】6
【備考】2009年3月13日に読み終えた。
2009/03/11
君が主で執事が俺で 南斗星編(布施はるか)
2009/03/08
削除ボーイズ0326
【タイトル】削除ボーイズ0326
【著者名】方波見大志
【発行年(初版)】2006年10月4日
【登場人物の年齢層】小学生
【概略】指定した時刻から「3分26秒」だけなかった事にできる機械を手に入れた少年たちの話(by me)/主人公、直都が手に入れたのは、出来事を「削除」できる装置だった。削除したいのは深爪の傷、息苦しい現実、それとも忘れられない過ち?生命力に満ちた人物造形と疾走感あふれる筆致が織りなす、まったく新しいリアル・エンターテインメント。第1回ポプラ社小説大賞受賞。 (「BOOK」データベースより)
【感想】よく「なかったことにできる」機械の類いのものが登場するのはありがちなような気もするが、これは機械がそこまで登場せず、人物描写が比較的多いような気がする。途中までの展開は惹き付けられるものがあったが、終わり方が微妙・・・
アマゾンのレビューを見てみると、「大賞にしては・・」という意見が目立った。まあそんなことはどうでもいいのだが。
【ランク】6
【備考】2009年3月8日に読み終えた.
2009/03/06
死神の精度(伊坂幸太郎)
【タイトル】死神の精度
【著者名】伊坂幸太郎
【発行年(初版)】2008年2月10日(文庫)
【登場人物の年齢層】多様
【概略】七日間の調査でその調査した人間を逝かせていいか決める「死神」千葉と、それにまつわる人々の6つの話(by me)/CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。 (「BOOK」データベースより)/ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に…様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様。 (出版社 / 著者からの内容紹介)
【感想】本屋で何か空き時間に読む小説を探していたところ(本当は試験勉強の回避)、この小説に出会った。以前親が映画を見ていたのを思い出して原作であるこの本を読んでみる事にしたのだが、映画もちょこっと見たら面白かったので原作も面白いだろうなと踏んで読んでみたら期待通りで良かった。主人公である死神の千葉はどこか変わっていて(死神だから当たり前か)時々クスリとさせられたり、また少し考えさせるような部分もあったりした。6つの話から成り立っていて、一日で読み終えてしまった。後で知ったのだが、この著者は「ゴールデンスランバー」も著していて、「ゴールデンスランバー」も期待できるな、と思ったりした。
【ランク】6.5+α
【備考】2009年3月6日に読み終えた
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