【タイトル】ラットマン
【著者名】道尾秀介
【発行年月日(初版)】2010年07月20日(文庫版)、2008年08月(ハードカバー)
【登場人物の年齢層】20~30
【概略】結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とは―。(「BOOK」データベースより)
【感想】友人より。
自分が今まで読んだ道尾秀介の小説には「向日葵の咲かない夏」と「鬼の跫音」の2つがあるが、「ラットマン」は書かれた時期が2小説の間に書かれたものである。
やはり道尾の小説は安定して面白い。読者の心を掴み、早く続きが読みたいと思わせる。朝早い電車に乗って読んでいても続きが気になって全く眠たくならないほどである。今回もなかなかのミステリーだったと思う。登場人物、さらには読者も含めてのの「勘違い」、「思い込み」によるトリックの連続はさすがに巧いと思うしかない。
ただ、これは「向日葵の咲かない夏」に比べるとライトな感じである。なんというか衝撃が足りないと言えばいいのだろうか。最後のほうで母親に関する「勘違い」が明かされたときも、「あ、そうなんですか」といったものしか持てなかった。もう少し捻りを加えても良かったのではと思う。しかし、それを差し引いても安定したクオリティである。続けて道尾の他の小説も読んでみたい。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】読者を掴んで離さない
比較的ライト
勘違い
【備考】2010年12月03日に読み終えた。
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