2010/11/08

弟の戦争(ロバート・ウェストール、原田勝訳)


【タイトル】弟の戦争
【著者名】ロバート・ウェストール
【訳者名】原田勝訳
【発行年月日(初版)】1995年11月30日初版
【登場人物の年齢層】中学生~高校生
【概略】ぼくの弟フィギスは、心の優しい子だった。弱っている動物や飢えた難民の子どもの写真なんか見ると、まるでとりつかれたみたいになって、「たすけてやってよ」って言う。人の気持ちを読みとる不思議な力も持っている。そんな弟が、ある時奇妙な言葉をしゃべりだし、「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い始めた。フィギスは12歳。1990年、湾岸戦争が始まった夏のことだった…。弟思いの15歳の兄が、弟を襲った不思議な事件を語る、迫力ある物語。イギリスで子どもの読者が選ぶ賞を複数受賞、ヨーロッパ各国でも話題を呼んだ作品。シェフィールド児童文学賞受賞、ランカシャー州児童書賞第1位、イギリス児童書連盟賞部門賞受賞、カーネギー賞特別推薦、ウィットブレッド賞推薦。小学校中・高学年~。(「BOOK」データベースより)
【感想】小学生の頃読み、久しぶりにもう一度読んでみたくなったのがきっかけ。


 湾岸戦争をメインテーマとしており、主人公の弟がイラクの少年兵と人格を共有、むしろ少年兵の人格が弟に影響を及ぼしていく物語。


 区分上は児童文学に含まれるだろうが、身近な人間が戦争の影響を受けることによる戦争の悲惨さ、さらに(これは予想外だったが)アラブ人の精神科医を登場させることによる人種差別の問題にも踏み込んでいる、児童文学のジャンルに収まらない難しい内容を扱っていた。


 多分これを最初に読んだ頃はおそらく(というかほぼ確実に)ここまで深く意識しなかっただろう。まあ年齢を重ねれば思考が深くなるのは当然であるが……


 正直、この本を小学生が読んで、理解できるのかと思ってしまうのは舐めすぎているだろうか。
【ランク】6.5
【読書中メモの総覧】なし
【備考】2010年11月08日読了

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